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2006年12月06日(水) 11時48分

高知TODAY 駐車監視員制度導入半年朝日新聞

 警察の委託を受けた民間会社の「駐車監視員」が違法駐車の取り締まりの一部を行うこ とができるようになった道路交通法改正から、半年余りがたった。県内の駐車違反の月ごとの1日平均の摘発は昨年の約2〜3倍と大幅に増え、県警は新制度の効果を指摘する。一方、人員を複数にするなどの対応を余儀なくされている運送業者は、コスト増に頭を悩まし続けている。(斉藤寛子)

  5日朝、高知市内の「取り締まり・重点地域」に駐車している1台の軽乗用車に、2人の駐車監視員が近づいた。車のナンバーや違反状況などを携帯端末に入力し、黄色い駐車違反標章を車のフロントガラスに張る。その間、5分。ドライバーは現れず、反則金1万5千円が科せられた。

  駐車監視員の活動する区間や路線、時間帯などを県警のガイドラインで定めていて、県内の駐車禁止区域の中で監視員が違法駐車の確認作業をするのは、高知、高知南両署管内の「最重点・重点路線」と「最重点・重点地域」だ。県警によると、この半年の県内の駐車違反取り締まり件数は4400件。最も多い9月は933件にのぼった。昨年の1日平均10件が、今年6月から6カ月間の1日平均は約24件と2倍以上で、いずれも大幅に増えた。

  このうち高知、高知南両署管内の半年間の取り締まり件数は4008件で駐車監視員が確認作業をしたのは、約3割を占める。県警は、この大幅な増加を制度の導入と、路上駐車が駐車時間にかかわらずに取り締まれるようになったことが大きな要因だといい、「違法駐車が目に見えて減った」と話す。

   ◇   ◇  

  ドライバー側からは、戸惑いの声も聞こえる。「最重点路線」となっている高知市の電車通りに乗用車を止め、道路沿いの銀行に入っていった同市の男性(60)は「駐車違反の取り締まりが厳しくなったことは知っている。でも、1、2分ぐらいだし、止めなきゃ生活できない」と話した。

  高知、高知南両署に駐車監視員を派遣する民間会社によると、この半年の間、現場の駐車監視員と車に駐車違反標章を張られた人たちの間に目立ったトラブルはない。しかし、厳しい取り締まりに、「ちょっとしか止めてないのに」などと、不満の声が上がることもしばしばあり、監視員たちにも、きつい言葉がかけられることもあるという。

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  電車通りにワゴン車を止め、助手席にアルバイトの女性を待たせていた運送会社の男性は「制度導入の6月から人員を増やし、2人体制にしている。費用もかかるし、営業ナンバーには特別な配慮をしてほしい」と訴える。

  県内の運送業者をまとめている県トラック協会によると、この半年でこの制度で取り締まりにあった業者はいないという。しかし、2人体制などはコストがかさむため、運送業者の中には、大型トラックを小型のものに買い替えて、駐車場を利用しようと検討しているところもあるという。原油の高騰も重なって、業者にとって頭の痛いところだ。同協会では、道路上や空き地にトラックが停車できる退避所のような場所を設けてほしいという要望書を県警へ提出する予定。

  県警では、新制度施行1年を目安に、取り締まり時間や場所に関するガイドラインを状況にあわせて見直すことも考えているとしている。

http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000000612060002