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2006年12月05日(火) 00時00分

【関連】張り子の信用力 東京新聞

 IP電話事業「近未来通信」(東京都中央区)の詐欺事件で、同社は有名人が出演したテレビCMの放映やプロゴルフツアーの開催、元プロ野球選手のマスターズリーグでのスポンサー契約など、多様な宣伝を展開していた。警視庁捜査二課などの調べで、投資家に配当を支払う能力も意思もなかった疑いがあり、その一方で会社の知名度や信用力を上げるのに腐心していた実態が浮き彫りになった。 

 「近未来通信のパンフレットはきれいで、ゴルフツアーの写真もあった。それで信用してしまい、投資説明会に行った」。投資した男性(73)が明かした。

 近未来通信はことし三月、女子プロゴルフツアー「第一回近未来通信クイーンズオープン」を鹿児島県内で開催。賞金総額七千万円で有名選手が出場し、三日間で一万三千人のギャラリーを集めたという。

 同社ホームページには石井優社長(50)が選手に優勝杯を手渡す写真を掲載していた。

 テレビCMには元プロ野球選手や有名女優を起用。二〇〇二年から昨年までは、元プロ野球選手が出場するマスターズリーグのチーム「札幌アンビシャス」のスポンサーとなり、選手は社名が胸に書かれたユニホームを着て出場した。

 昨年度まで連覇した強豪チームで、リーグ関係者によると、八月ごろに巨額の所得隠しが明らかになると、担当者が「その件は大丈夫」と説明。

 しかし、翌月には連絡がつきにくくなり、スポンサーを降りてもらったという。

 同社のホームページには、米ニューヨークやブラジル・サンパウロ、香港、パリなどに中継局があるとして高層ビルなど建物外観の写真を掲載。さらに、海外に安く通話できるプリペイドカードでは、大手バス会社や海外の航空会社と提携していた。

■組織犯罪法適用求める 被害者弁護団

 近未来通信被害対策弁護団の紀藤正樹弁護団長は四日、東京都内で会見し「典型的な組織的詐欺だ。四百億円もの被害がある事件を通常の詐欺で立件するのは軽すぎる」と、刑法の詐欺罪より刑罰が重い組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)罪の適用を求めた。弁護団が同日正午から設置した相談電話は終日鳴りやまない状況という。

 十二月一日に施行された改正組織犯罪処罰法で、組織犯罪で奪われた財産を国が起訴前に没収・保全できるようになった。紀藤弁護士は「警察は単に犯罪を取り締まるだけでなく、改正法に基づき、没収保全処分を検討してほしい」と被害者の救済も訴えた。

 弁護団は詐欺容疑での告訴を検討中だが、近未来通信幹部らの共犯関係が明確になれば組織的詐欺容疑に切り替える方針。同時に同社の破産申し立て手続きも進める。

 相談電話=03(3263)7554=は回線を増設し平日正午から午後四時まで受け付ける。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061205/mng_____sya_____007.shtml