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2006年12月05日(火) 10時47分

「高速は無料」逮捕者相次ぎ、フリーウェイクラブ解散朝日新聞

 高速道路料金の「不払い宣言」運動を続けていた団体「フリーウェイクラブ」が11月下旬、解散した。「高速道路は無料となる前提で造られたはず」という「大義」を掲げ、過激な方法で抗議行動をしてきたが、昨年の法改正を受けて幹部らが逮捕され、旗を降ろさざるを得なかった。

和合秀典会長が滋賀県警高速道路交通警察隊長あてに出した解散届(写し)

フリーウェイクラブの無料通行宣言書。「マークはフリーウェイ(天下の公道)をデザインしたもの」と書かれてあった。

 同クラブの和合秀典会長(65)=さいたま市=は11月23日、滋賀県警の取調室で、手書きの解散届1枚を手渡した。「20年の歴史を持ったフリーウェイクラブを解散致します」

 同クラブは87年設立。首都高速の料金値上げに反対し、値上げ分の支払い拒否運動を始めた。

 高速道路は、路線ごとに建設にあてた借入金を通行料金で返済し、完済後に無料にする原則で造られた。ところが72年に全国一体で収支を計算する料金プール制が導入され、黒字路線の収入が赤字路線の借金返済に回ることになった。

 このことを、クラブは「終わりのない道路建設で、無料化は遠のくばかり」などと批判、マスコミも取り上げた。01年には料金全額の支払い拒否運動に転じる。01年度に約1万台だった不払い宣言は02年度、約4万5000台に急増した。

 旧公団は未払い料金などを強制徴収できたが、ドライバーや差し押さえる預金口座の特定などが難しく、刑事上の罰則もなかった。だが、不正通行急増や民営化を背景に昨年10月、罰則を盛り込んだ改正道路整備特別措置法が施行され、状況は一変した。

 本四高速を除く高速5社管内で、昨年10月から今年3月までの不払い宣言は約2500台と、その前の半年間の5分の1以下に激減した。警察も動き出し、今年5月に同クラブ会員を同法違反容疑で初逮捕。別の会員への調べで、和合会長が「(無料通行しても)大丈夫だ」と不正通行を勧めたことなどが判明し、9月に滋賀県警に逮捕された。

 県警は、押収資料から会員数は約430人と推定、大義よりも単に「無料通行できるから」と会員になった人が少なくないとみる。和合会長は当初「無料通行は信念で、ただ乗り運動ではない」と供述していたが、役員らが相次いで逮捕されると、「世間を騒がせた」と反省をみせた。ただ、「高速道路は本来無料」との持論は曲げていないという。

 クラブは壊滅状態となったが、高速料金を払わない人が減っているわけではない。ETC車線で故意にバーを押し破るなどの強行突破は05年度93万件。01年度の3倍以上で、高速道路会社の新たな悩みになっている。

http://www.asahi.com/national/update/1205/OSK200612050016.html