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2006年12月04日(月) 00時00分

近未来通信を一斉捜索 詐欺容疑 被害400億円か 近未来通信本社に家宅捜索に入る捜査員ら=4日午前9時、東京都中央区日本橋浜町の浜町センタービルで(池田千恵子撮影) 東京新聞

 インターネットを利用したIP電話事業を手がけると宣伝していた「近未来通信」(東京都中央区)が、事業実体がないのに投資家から資金を集めていた疑いが強まり、警視庁捜査二課は四日午前、詐欺の疑いで、同社本社や全国の支店など約二十カ所を家宅捜索した。被害対策弁護団が「全国三千人から約四百億円をだまし取った」と指摘してきた巨額投資話に、捜査のメスが入った。 

 調べによると、同社の石井優社長(50)らは、事業実体がなく、配当を支払う能力がないのに、月々の収益を支払うと偽り、岐阜県の三十代の男性から八−九月に千数百万円をだまし取った疑い。

 インターネットに電話回線をつなぐ中継局の設置経費として最低一千百万円を投資家に支払わせ、「利用者の通話料から、投資の一年後には毎月百万円近い配当金が得られる」「投資額は二、三年で回収できる」などとしていた。実際には通話料収入による配当ではなく、別の投資家から集めた資金を配当に回していた可能性が強いという。

 立ち入り検査した総務省によると、同社からの報告では国内外に二千四百六十六カ所あるとされていた中継局のうち、稼働を確認できたのは二カ所の二台だけで、二〇〇五年七月期の売上高百八十一億円のうち、通信事業で得た収入は三億円程度とされている。

 さらに同社は、加盟金を支払って、同社のテレホンカードなどの販売を担当する代理店となり、人を紹介すれば、一件当たり五十万−百三十万円の手数料が得られるシステムをとっていた。

 近未来通信 1997年、毛皮や宝石の販売会社として設立し、2002年にIPテレビ電話サービスを開始。「中継サーバーの設置費用を負担すれば、通信料収入から多額の配当金を受け取れる」と投資家を募り、売上高を伸ばした。05年7月期の売上高は約181億円。総務省の立ち入り検査の結果、そのうち98%が投資家から集めた金で、通信事業の実体がほとんどなかったことが判明した。今年9月から配当が滞り始め、11月には本社のほか支店や関連会社もほぼ閉鎖状態となった。

 IP電話 インターネット・プロトコル(IP)と呼ばれるインターネットの通信技術を活用する通話方式。1回線で多数の通話ができるなど従来の電話に比べ回線の効率的な利用が可能で、通話料を安くできる。音声をデジタルデータに変換して送受信する仕組みで、動画が同時に利用できるテレビ電話サービスも可能。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061204/eve_____sya_____000.shtml