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2006年12月02日(土) 00時00分

界隈ルポ 神田明神  イラスト はやし・ひろ 東京新聞

 ◆神田明神(千代田区) JR中央・総武線御茶ノ水駅、JR山手・京浜東北線秋葉原駅、東京メトロ丸ノ内線御茶ノ水駅・千代田線新御茶ノ水駅下車

 神田明神=電03(3254)0753=は正式名称を「神田神社」というが、「明神様」の愛称で親しまれる。

 参拝した後に受けたいのがお守り。氏子町の秋葉原に足しげく通うアキバ系にも人気なのがシール型の「IT情報安全守護」。丸の内や大手町のビジネスマンには、名刺ケース付きの「しごとのおまもり」がおすすめ。

 それにしても他の神社にはない発想のユニークさは、粋でいなせな神田ならでは? 「もともと庶民の守り神。日常の神様だから敷居も低いかもしれませんね」という禰宜(ねぎ)の清水祥彦さんの言葉にも納得です。来年の正月にはビッグな福守り袋も限定販売するので要チェック。

 鳥居を出てすぐ左、大國屋=電(3251)5257=は、田村彰吾さん、光男さん親子が店の奥で今も手作りしているあめ店。なんとこちら、明神様のおひざ元と思いきや、実は湯島天神の氏子だそうな。この辺り、外神田と湯島が氏子町で複雑に分かれている。「でもここで商売させていただいて、明神さまさまです」と彰吾さんは笑う。

 参道入り口にあるのが一八四六年創業の甘酒の老舗天野屋=電(3251)7911。自家製の糀(こうじ)は店舗裏手にある地下六メートルの室で四日間かけて育てる。その室に特別に入れていただいた。「甘酒作りは手間がかかるけどいじりようがない」と語るのは六代目の天野博光さん。中は発酵した糀が放つ甘酸っぱい香りが広がる。「もともと甘酒の俳句の季語は夏。ブドウ糖やビタミンを多く含んだスタミナドリンクです」。砂糖や酒かすを一切使わない自然な甘みだ。

 その先の明神そばのきやり=電(3252)8611=で、きやり姫御膳(ごぜん)=千六百八十円=をいただいた後は場所を湯島に移す。

 お茶の水おりがみ会館=電(3811)4025=は、一八五九年創業の染紙と千代紙の老舗ゆしまの小林が運営。和紙の手染め工房では見学も可能。館長の小林一夫さんが「おりがみは世界に誇る手芸。みんなに喜んでもらえて生活に潤いを与える物でなければ意味がない」と語りながら、あっという間にクリスマスツリーやいのししなど次々と作品を生み出していく。その様はまさに神業!

 さて、このたびの町歩きで私、すっかり明神様のファンになってしまった。こんな言い方をしてもきっと懐の大きな明神様は許してくださるはず。来年こそは神田祭を見物せねば。 (吉田美穂)

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