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2006年12月02日(土) 17時06分

犯罪資金対策、日弁連が対案「懲戒で」 通報義務盛らず朝日新聞

 犯罪組織のマネーロンダリング(資金洗浄)などを防ぐため、弁護士らに「疑わしい取引」の警察への届け出を義務づける犯罪収益流通防止法案(ゲートキーパー〈門番〉法案)を巡り「警察への密告を強制する制度」と反対する日本弁護士連合会が政府に示そうとしている対案がわかった。依頼者の目的が不正と知りながら契約を結べば懲戒処分にするなどの特別規定を日弁連の会規として定めることが柱だが、警察への通報義務は除いたかたちになっており日弁連と政府の協議は難航しそうだ。

 法案は、国際的な政府間機関「金融活動作業部会」(FATF)が03年に発表した勧告に基づくもので、警察庁は07年の通常国会への提出を目指すが、「依頼者は弁護士に秘密を言えなくなり、弁護士制度の根幹を揺るがす」として反対する日弁連との協議は難航。警察庁は今年10月、届け出先を日弁連とし、日弁連が自律的に守秘義務との関係などを判断して警察庁に通知するという妥協案を示したが、日弁連は受け入れを拒否した。

 今回明らかになった日弁連案は、(1)弁護士は依頼者と契約を結ぶ際、依頼の目的が「犯罪収益流通にかかわるもの」と判断された場合は、契約をしてはいけない(2)契約後にこれを知った場合は依頼者に回避を説得し、説得に応じない場合は、契約を辞さなければいけない——という内容。こうした目的の現金・有価証券などを預かることも禁じ、違反した弁護士は懲戒処分にする。

 警察庁が同時に求めていた「依頼者の身元確認」と「取引記録の保存」の2点については、政府方針に準じる形で盛り込んでいる。

 日弁連は各弁護士会の意見を集約して理事会で正式決定したうえで、来年3月の総会にはかる。

 日弁連は「新しい規定で、弁護士が犯罪収益の流通に決して関与しない枠組みがしっかりとできあがることになり、十分に勧告の趣旨を満たしている」と主張している。

http://www.asahi.com/national/update/1202/TKY200612020203.html