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2006年12月01日(金) 00時00分

ソニートップ人事、緊急再編…本体批判でくすぶる火種ZAKZAK

 「久多良木はCEO(最高経営責任者)のままです。経営から外れるわけではありませんので誤解のないように」

 11月30日の役員人事発表直後、SCE広報部はこうクギを刺した。

 ただ、12月は通常の役員交代時期ではなく、目玉商品発売直後でクリスマス商戦を迎える極めて大事な時期にトップが交代するのは異例だ。代表取締役も久多良木氏を含む2人だったのが4人に増えるなど、集団指導体制の色合いが濃くなるとみられる。

 久多良木氏はプレステを立ち上げてソニーの事業の柱にした功績を誇るが、PS3では、国内の発売時期が当初の今年春から11月に、欧州での発売が来年3月に延期された。国内の販売価格も発売前に引き下げるなど混乱続きで、今年度のゲーム部門の赤字が2000億円に膨らむなど、ソニー全体の収益にも打撃を与えていた。

 久多良木氏がソニー本体の副社長の座を離れて以降、ソニーとSCEの微妙な関係が指摘されることが増えていた。

 久多良木氏はPS3の量産遅れの原因とされる基幹部品を製造していたソニー本体を批判。「PS3の米国での発売日をハワード・ストリンガーCEOの了承を得ずに決めた」(業界関係者)と言われる。

 一方、新たにSCEの社長兼COO(最高執行責任者)に就くSCE米国法人CEOの平井一夫氏(45)は「ストリンガー氏の信頼が篤い」(同)とされる。

 今年1月に米国で開かれた家電見本市「CES」の基調講演でも、ストリンガー氏と並んでPS3の戦略を語ったのは平井氏だった。

 久多良木氏はPS3について当初、「単なるゲーム機ではなくスーパーコンピューター並みの能力を持つエンターテインメント機」と語るなど、同氏の技術者としての理想を詰め込んだ高性能機となったが、その結果、1台売るごとに数万円の赤字と言われている。

 「PS3はもはやゲーム部門だけの問題でなく、ソニー全体の浮沈がかかるビジネスになっている」(家電担当アナリスト)ため、最近の販売戦略や商品展開ではソニー本体の現実路線に修正されつつある。

 ノートパソコン用電池の発火問題などを起こしたソニーだが、液晶テレビやビデオカメラの売り上げは好調で、課題のエレクトロニクス部門の収益改善は進んでいる。今後はグループの連携をさらに強めることで復活を目指す。 

ZAKZAK 2006/12/01

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_12/t2006120130.html