悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年12月01日(金) 21時03分

[ゲーム]オンラインゲーム一週間「次世代ゲーム機の登場で変わるか、オンラインゲームのコミュニケーション」RBB TODAY

ついに発売となる任天堂「Wii」    2006年12月2日(土)は任天堂「Wii」の発売日。これでソニーの「プレイステーション3(PS3)」とマイクロソフトの「Xbox360」、任天堂「Wii」が出そろい、次世代ゲーム機戦争が本格的にスタートすることになる。

 次世代ゲーム機はいずれもネットワーク対応を謳っている。「Xbox360」では既にマルチプレイや体験版の配信がスタート。「PS3」ではシステムソフトウェアのアップデートがネットワーク経由で行われている。また、「Wii」では「バーチャルコンソール」としてファミコンなどオールドゲームの配信が行われる予定となっている。

 日本では苦戦する「Xbox360」だが、個人を識別する「ゲーマータグ」や無料の体験版などPCに近いコンセプトでのサービスが行われている。海外ゲーマーと日本ゲーマーの触れあいもあり、マイクロソフトがPCで積み重ねたノウハウを活かしてコミュニティが構築された形となっている。

 続く「PS3」と「Wii」だが、こちらはどのようなコミュニティが作られるかが未だ分からない。ただ、任天堂は「ニンテンドーDS」で「すれちがい通信所」を中心とし、ゆるやかなコミュニティの輪を作ってきた実績があるため、ソニーのネットワーク戦略が一番不明ということになる。現時点における「PS3」のネットワーク戦略として発表されている「グランツーリスモ」の車やコースの追加販売が賛否両論であることを考えると、今後のソニーの動向が注目されるところだ。

 コミュニティをいかに作るかはオンラインゲームでも重要な問題である。人と人との繋がりは、ゲームを活性化させるだけでなく、プレイヤーを土着させる効果がある。オンラインゲーム戦国時代ともいわれ、多数のタイトルが林立する昨今、最も求められているのが「定住プレイヤー」の存在であろう。現実でもゲームでも、定住には良い環境が必要である。現実では町おこしやUターンなど定住を促す取り組みが行われているが、オンラインゲームの世界ではこうした努力があまりにも少ないのではないだろうか。

 なぜ人はゲームを渡り歩くのだろうか。様々な理由はあるが、その多くは「人情が希薄であること」ではないだろうか。人と人との関わりこそがオンラインゲームだけに、ここで感じる孤独はあまりにも深い。ならば、なぜこのような孤独が生まれるのだろうか。それはオンラインゲームの多くが効率と利益を軸とした構造だからである。こうしたタイトルでは初心者と関わることにメリットがない。加えて自分自身がさらなる効率と利益を求めてのレベルアップをしなければならないため、他人のことまで気にしている余裕がない。こうなると、いくらアカウント数が多くてもコミュニケーションは限られたものとなってしまう。

 「初期キャラクターが生まれる街がガラガラに空いている」「人は多いが会話がない(オープンチャットではなく仲間内の会話のみに留まっている)」「上級者に助けを求めても黙殺される」といった光景は誰もが見覚えのあるところだろう。では、初心者と関わることにメリットがあればいいかというとそうではない。「メリット」は詰まるところ効率であり、そこからの関わりは人情ではないからである。

 オンラインゲームにおけるコミュニティは、現在も模索が行われている最中である。任天堂が「ニンテンドーDS」で提供するWi-Fiですら、タイトルによっては凄まじい荒れ模様を呈しているくらいだ。理想のコミュニティ構築論までの道はあまりにも遠い。これまでコミュニティの構築はオンラインゲームメーカーの大きな課題であったが、今後は家庭用ゲーム機メーカーも避けては通れない問題となる。任天堂、マイクロソフト、ソニーという新たな血が入ることで、新たな解決が見つかるのではないだろうか。
(RBB TODAY) - 12月1日21時3分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061201-00000058-rbb-sci