悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年11月30日(木) 00時00分

「私は法を犯す人間ではない」村上初公判…無罪主張ZAKZAK

 村上被告は黒のスーツ姿で口を真一文字に結び、おもちゃの兵隊のようなカクカクした動きで出廷。裁判長から職業を問われると「会社役員です」と答えた。

 罪状認否で村上被告は、5分間にわたって持論を展開した。「私は無罪を確信している。(平成16年)11月8日に堀江=貴文・前LD社長(34)=氏らからニッポン放送の経営権を取りたいとの趣旨の話を聞きましたが…ライブドア一流の思いつきの面白おかしい大言壮語を聞いたという受け止め方でした」と、堀江被告らの“ビッグマウス”と決めつけた。

 検察の調べに一時、容疑を認めたが、「検察から罪を認めないと幹部が全員逮捕されると聞かされた。自身の誇りを守るつもりもあったが、ファンドを崩壊に向かわせるより、逮捕者1人を向かわせる道を選んだ」と自白はウソと認めた。

 そして、「私は法を犯す人間ではない。誇りと尊厳のため、裁判所の判断を仰がせていただく」と締めくくった。

 検察側は冒頭陳述で「村上被告は通産官僚時代からニッポン放送株取得に着眼していた」とした上で、15年ごろから同放送株の取得を開始。同社に対し、「鹿内宏明・元フジサンケイグループ議長(61)と組んで買収する」とけしかけたり、ファンド側から社外取締役を選任するよう求めるなど、強力に圧力をかけ続けていたことを明らかにした。

 その後、楽天の三木谷浩史社長(41)に同放送株のTOBを持ちかけたが、同氏はこれを拒否。そのため16年9月、村上被告はライブドアを訪ね、宮内被告と面会。協力して同放送株の過半数を取得しようと勧誘したという。

 午後1時半からは,宮内被告が検察側証人として証言に立った。宮内被告が村上被告に軽く会釈をすると、村上被告はきちんと頭を下げてこれに応えた。

 検察側の質問に対し、宮内被告は16年7月ごろからLDが堀江被告の指示で同放送株を買い始めたことを明らかにした。

 その上で同年9月、堀江被告が同席し、村上被告と面会。「『今ならニッポン放送が取れるぞ。(ニッポン放送株の)3分の1を取れば、うちがもっている分と合わせて過半数となる。その先にあるフジテレビも取れる』と言われた。これがニッポン放送株買い集めのきっかけとなった」と証言。村上被告が騒動のフィクサーだと断言した。

 弁護側はLDは同放送経営権取得の賛同企業の1つにすぎないと主張しているが、宮内被告は「その認識はない。ライブドアが主体」と断言した。

 早くも追い込まれつつある村上被告は表情を変えず、じっと宮内被告を見つめていた。

★村上ファンド事件の経緯

【平成16年】 

9月15日 村上世彰被告、ライブドア(LD)側にニッポン放送株の取得を持ち掛け

11月8日 村上被告、LD側との会談で同放送株の大量買い占めを決定したと伝えられる(検察側主張)

  9日 村上ファンド、インサイダー取引を開始。翌年1月26日までに約193万株を不正に買い付け(検察側主張)

【17年】

1月17日 フジテレビが同放送株のTOB(株式公開買い付け)実施を発表

2月8日 村上ファンド、LDに同放送株328万株を時間外取引で売却。LDは同放送株の35%超を取得したと発表

  10日 村上ファンド、同放送株百数十万株を市場で売却

【18年】

5月10日 村上ファンド、運用拠点をシンガポールに移したと発表

  31日 村上被告、シンガポールから帰国。直後から東京地検の任意の事情聴取を受け、容疑を否認

6月4日 村上被告、東京地検の調べにインサイダー取引を認める

  5日 村上被告、東証で謝罪会見を開いてファンド代表を辞任。東京地検が証券取引法違反容疑で逮捕

  23日 東京地検、村上被告とMACアセットマネジメントを起訴

  26日 村上被告、保釈保証金5億円で保釈

9月15日 村上被告側が東京地裁、検察側との事前協議で、一転して起訴事実を否認する方針を伝える

11月30日 初公判

ZAKZAK 2006/11/30

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_11/t2006113023.html