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2006年11月30日(木) 11時53分

村上被告、雄弁に主張 聞いたのは「大言壮語」朝日新聞

 「堀江氏らからニッポン放送の経営権を取りたいとの話を聞きましたが、ライブドア一流の面白おかしい大言壮語だと思っていた」。村上世彰前代表は、30日の初公判で、インサイダー情報とは思っていなかったことを強調した。

 「(重要事実を)聞いちゃったかと言われれば、聞いちゃった」。初公判から約半年前、6月5日の逮捕当日に開いた記者会見で、村上前代表は、ライブドアからインサイダー情報の伝達を受けたことを認め、深々と頭を下げた。

 逮捕後の調べでも、当初こそ「過失」を強調したが、途中から全面的に容疑を認め、起訴の3日後に保釈された。

 初公判で、村上前代表は東京地検特捜部の取り調べの様子をこう説明した——。検事から「(西武グループ元総帥の)堤(義明)さんは自ら罪を認めることにより、他の逮捕者を出さなかった。堀江さんは否認したので、幹部社員が逮捕された」と言われた。他の幹部の逮捕でファンドが立ち行かなくなることを恐れ、容疑を全面的に認めることになったという。

 態度を一変させ、公判で全面否認に打って出たのはなぜか。

 関係者によると、前代表は、検察側が開示した証拠書類を読み込み、弁護団との会議を重ねる中で、「検察側の言うようにライブドア側の決定があったというのはあやふやだ。このままインサイダー取引だったと認める判決が出れば、一般の株取引の実務に影響する。裁判所の判断を仰いだ方がいいのでは」と否認に傾いたという。

 前代表の会見での謝罪については、「その時点では、『こういうこと聞いたんだろう』と検察に言われ、その法的評価を受け入れていた状態だった」という。

 弁護側によると、ライブドアが決定を伝達したとされる04年11月8日の会議で、ライブドア前社長の堀江貴文被告(34)は村上前代表に対し、「(04年)12月にでもTOB(株式の公開買い付け)しちゃうって、どう思いますか」と申し出たという。前代表はこの言葉について、「非常にノリのいい会社の体質から出た発言」に過ぎず、ニッポン放送株の大量取得という決定の伝達などではなかったとしている。

 ○検察側、「工作」ぶり強調

 検察側は冒頭陳述で、ニッポン放送の経営陣らへの揺さぶりと保有株の高値での売り抜け先探しに奔走した村上ファンドの「工作」ぶりを詳述。「ライブドアに強く働きかけた」と、村上前代表がライブドアの株買い集めを主導したと指摘した。

 前代表と対決する検察側では、ライブドア前取締役の宮内亮治被告(39)ら元幹部の供述や関係者のメールなどの証拠が立証の柱だ。

 東京地検特捜部はライブドア事件の捜査の過程で、宮内前取締役への調べなどから、村上前代表の事件関与の端緒をつかんだとされる。堀江前社長らが04年11月8日、六本木ヒルズ内の前代表を訪ね、ニッポン放送株を大量取得するライブドア側の方針を告げたとされるが、インサイダー取引の重要証拠となったこの日のやり取りも、同席した宮内前取締役の供述などで裏づけた模様だ。検察幹部は「11月8日に会った結果、前代表が、ライブドア側の資金調達がどこまで進んでいるか、株をどのような方法で買うかをかなり知ったのは確かだ」と話し、立証に自信を見せる。

 宮内前取締役は、証券取引法違反に問われた堀江前社長の公判でも検察側証人として出廷。前社長が粉飾決算に関与していた実態を証言した。前取締役は30日午後から、村上前代表の公判でも検察側証人として「連続登板」する。

 これに対し、堀江前社長に対する証人尋問も行われる予定だが、前社長は、検察側の任意の事情聴取で、村上前代表の行為がインサイダー取引にあたるとは思っていないという趣旨の供述をしたとされる。前社長が公判でも、村上前代表を援護する証言を行う可能性が高いとみられている。

http://www.asahi.com/national/update/1130/TKY200611300171.html