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2006年11月29日(水) 00時00分

銚子電鉄がけっぷち 支援再開の道模索朝日新聞

銚子電気鉄道(小川文雄社長)の経営ががけっぷちに立たされている。運転資金がほぼ底をついているにもかかわらず、車両検査に費用がかかる上、国交省から受けた改善命令に沿った補修費を含めると数千万円が必要になるからだ。同社は前社長の不透明な資金のやり繰りを機に04年度から銚子市や金融機関からの融資や補助が途絶えている。初日の出など観光客の足でもある鉄道の運行が危ぶまれている。

 銚子電鉄は1923年、銚子鉄道として営業開始。銚子〜外川間を約20分で結ぶ。

 05年度の輸送人員は約65万4千人、一日あたりだと約1800人。年々、低落傾向だ。本業の鉄道業旅客収益は約1億1400万円だが、損益は約4千万円の赤字。一方で「ぬれ煎餅」の副業営業収益は約2億円。こちらは3300万円の黒字で、副業に支えられている特異な経営体質となっている。借金返済の利息などを含め、最終損益は約900万円の赤字だった。

 同社は24日、国交省関東運輸局から安全確保に関する事業改善命令を受けた。枕木の腐食や踏切保安装置の脱落が見つかったためだ。25日から点検を始めたところ、レールの亀裂が見つかり約2時間運行を停止した。

 2カ月以内に改善状況の報告書を提出し、工事に着手しなければ運行停止の恐れがあるという。

 来週半ばにも見積額を算出するが、レールなど設備の補修で「3千万円近くかかる可能性」(同社)という状況だ。

 また07年春までに、車両の法定検査を予定していた。保有車両6両のうち、運行継続のためには少なくとも3両をその対象にする必要があり、費用に約1千万円を見込んでいた。

 同社の05年度事業報告書によると、06年3月末現在の流動資産のうち現金・預金は約3千万円。それが今では300〜400万円しか残っていない。

 今月15日には「ぬれ煎餅を買って」などと同社のホームページ(HP)で呼び掛けた。その効果もあって27日までの売り上げは、インターネット販売分だけで約3千万円。だが、経費を差し引くと、今後必要な資金には届かないという。

 同社が求めているのは、04年度から途絶えた行政支援だ。03年度は県と市から「経営安定対策事業補助金」など計約1100万円を得ていた。

 だが、前社長が会社名義で借り入れた約1億1千万円を着服した事実が04年に発覚。これ以降、市や金融機関は補助・融資を止めている。

 同社は「自力再建は困難」との立場だ。再建を図るには行政のてこ入れが不可欠となっている。

 ただ市は「刑事事件を起こした会社に市民の税金を投入できない」とする。前社長の不正借り入れ問題の解決を図り、同社が抱える債務を圧縮することができれば「補助金再開の可能性もあり得る」(市産業振興課)という。

http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000611290001