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2006年11月28日(火) 00時00分

闇の物流ネットワーク明らかに…北、大量被ばくかZAKZAK

 女は今年5月中旬、点滴薬「強力モリアミンS」(味の素)60パックと肝臓治療薬「強力ネオミノファーゲンシー」(ミノファーゲン製薬)120アンプルを手荷物に隠して持ち込もうとして、税関当局から摘発された。

 モリアミンはアミノ酸補給のための栄養補給用輸液で薬価は200ミリリットルで354円。味の素の広報担当は「輸液なので手術の前後に投与するなど、ごく一般的なもの。国内の薬品卸に出荷しているが、なぜ、うちの薬品なのか」と困惑する。

 同社によると、栄養失調状態の患者がモリアミンを投与するだけで元気になるかというと、「それはあり得ない」(同)という。

 北の生活に詳しい山梨学院大経営情報学部の宮塚利雄教授は「北では、『医薬品は日本製に限る』とされる。食糧事情の悪化とともに医療事情も相当悪化しており、平壌のホテルの土産物店でも在日朝鮮人が親族への贈り物にするための点滴が販売されているほど」と、輸液すらまともに手に入らない北の劣悪な医療事情を証言する。

 ミノファーゲンは「肝機能異常を改善することを目的に使用されるケースがほとんど」(ミノファーゲン製薬学術部)といい、韓国、台湾、インド、中国などにも輸出されている。同社の創業者で元参院議員、故・宇都宮徳馬氏は生前、日朝友好を推進したことで有名。75年に訪朝し、故・金日成(イルソン)元主席にも面会している。だが、同社は「北朝鮮には輸出していません」とコメントしている。

 ミノファーゲンについて、捜査幹部は「被ばくした核技術者の治療に使うためのもので、核実験の動きを隠すために、ひそかに持ち出させるよう指示があった可能性がある」と話している。

 コリア・レポート編集長の辺真一氏も「これだけの量を、例えばがんの治療に使うにしてもあまりにも多すぎる。90年代半ばには核開発関連の技術者が被ばくし、髪が抜けるなど問題になった。この際にも医薬品がなく、打つ手がなかったとの話がある。結局、医薬品を日本から民事用として輸出して軍や核関係者に使う。持ち込む本人は売りさばくというより、国家への献納が目的でしょう」と分析する。

 また、捜査当局は女が科協理事の妻だった点に強い関心を示している。科協といえばこれまでに軍事転用可能な工業機械の輸出、陸上自衛隊の地対空ミサイルシステムの入手など不穏な動きに関与していた疑惑がたびたび浮上している“札付き”の団体だ。

 しかし、「サイバー北朝鮮」(白夜書房)の著書があり、科協に詳しい北朝鮮研究家のウラジミール氏は、その実態を次のように明かす。

 「科協は必ずしもスパイ組織ではない。メンバーは町工場の経営者や純粋な科学者が多く、朝大(朝鮮大学校、東京都小平市)出身者の親ぼく会的な意味合いも強くなってきている。会長の名前が出ている公然組織が、いかなる工作ができるのか? (北当局から)科協へ直接、指示が来るわけがない。直にそれぞれの個人へ指示がくる」

 ウラジミール氏はさらに、「集金能力や組織力で群を抜いている女性同盟(在日本朝鮮民主女性同盟)や、仏教徒協会(在日本朝鮮仏教徒協会)もある。科協にばかり目をやるのは危険」と警鐘を鳴らす。国内に広がる北の非公然組織。まだまだ何が起きるかわからない。 

ZAKZAK 2006/11/28

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_11/t2006112826.html