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2006年11月27日(月) 00時00分

ITつながりで夢の乗り物「セグウェイ」の普及を図る読売新聞

 コンピューターグラフィックス技術で成長した日本SGIが、アメリカで夢の乗り物として開発された立ち乗り電動二輪車「セグウェイ」の国内販売を始めた。和泉法夫社長に、セグウェイの販売事業への参入の狙いと本業との関係などについて聞いた。

セグウェイはロボット事業の一環

和泉 法夫  いずみ・のりお
日本SGI社長
 1947年東京生まれ。70年上智大学理工学部、72年同大学文学部を卒業。同年日本IBMに入社。85年に日本タンデムコンピューターズに転じ、取締役に就任、米国本社副社長も兼ねる。同社専務の後、98年にコンパックコンピュータ(現日本HP)副社長を経て、98年から日本シリコングラフィックス(現日本SGI)社長。
—— 10月にセグウェイの国内販売事業への参入を発表されましたが、反応はどうでしたか?

和泉 大変な反響です。特に企業のトップの方の反応がいいですね。セグウェイに乗ってもらうと、最初はこわごわですが、そのうち笑顔になって「おもしろいじゃないか」ということになるのです。

—— 日本SGIというと、もともとはシリコングラフィックスすなわちCG(コンピューターグラフィックス)の会社だったはず。セグウェイは電気で動く乗り物で、どう本業とかかわるのでしょうか?

和泉 セグウェイは、ディーン・カーメンが移動手段の革命を起こそうとして発明したものです。シリコングラフィックスを興したジム・クラークも、コンピューターを単なる演算処理機としてではなくグラフィックスという表現の手法として発明し、革命を起こしました。両者の接点はIT(情報技術)の革命にあるのです。

 日本SGIは、2000年から人工知能の発展などを目指す自律型ロボットの国際共同研究プロジェクト「ロボカップ」のスポンサーをしてきました。セグウェイはIT技術のつまったロボットともいえ、日本SGIとはロボットつながりといえるのです。

—— セグウェイは道路交通法上、日本の公道での使用は認められていません。どのような用途を考えているのでしょうか?

和泉 一般消費者への販売は、事故の危険性などいろいろあるので、まずはBtoB(対法人)販売を考えています。工場の敷地内などでは、自転車で移動するより、セグウェイで移動した方が社員のやる気が向上すると思います。すでにアメリカでは2万5000台も利用されており、45州では公道での走行が認められています。カナダ、ドイツ、フランスなどでも利用されており、米国のアマゾンドットコムでは、倉庫内で商品を探して運搬する作業に使われています。警察や警備会社がパトロール用として活用しています。ゴルフ場でも移動手段として導入されています。サンフランシスコの観光地では、セグウェイに乗るツアーもあるほどです。

 日本でも、地域限定で規制を緩和する構造改革特区として「セグウェイツアー」を申請しようとする自治体もあります。

—— 道交法が改正されると思いますか?

和泉 安全性が実証されれば、日本国内でも認められるようになると思います。都市部までは車で来て、その先は公共交通機関で移動する「パークアンドライド」という考えがありますが、都市部の移動において都心の移動はセグウェイが中核になると予想しています。

 セグウェイは充電式の立ち乗り電動二輪車で、環境に優しい乗り物です。フル充電で1日40キロは走ります。最高速度は時速20キロです。操作方法はとても自然な感じで、前に体を傾ければ前に進むし、右に傾ければ右に進みます。

—— 売れ行きはいかがですか?

和泉 代理店を通じて販売していますが、出足はいいと思います。すでに300台を輸入し年内には売れる見込みです。2007年3月末までに1000台は売れるでしょう。初年度販売目標は2500台です。

—— 今後どのような使われ方が考えられるのでしょうか?

和泉 セグウェイにGPS(全地球測位システム)機能をつければ、ICタグがはってある商品を倉庫内で探して、発送する作業が効率よくできるようになります。車はどんどんIT化しているので、シンプルなセグウェイはもっとITを装備して、活躍の場が広がると思います。今、新しい利用法についても開発中ですが、車イスにかわるものになるかもしれません。

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20061127nt08.htm