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2006年11月27日(月) 21時09分

薬事法違反容疑で朝鮮総連など捜索 点滴薬を北朝鮮へ朝日新聞

 医薬品の点滴薬を都内の医師が無許可で譲渡した疑いが強まったとして、警視庁公安部は27日、薬事法違反(医薬品の無許可授与)などの疑いで、関係先を捜索した。譲渡された在日朝鮮人の女は、朝鮮総連の事業に参加した際に点滴薬などを北朝鮮に持ち出そうとしていたといい、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の東京都本部や新潟出張所なども捜索を受けている。

強制捜査が行われた朝鮮総連東京都本部前は抗議する関係者でもみ合いが続いた=27日午前9時すぎ、東京都文京区千石4丁目で

朝鮮総連東京都本部に強制捜査に入ろうとする警視庁と関係者の間で混乱が起きた=27日午前9時15分、東京都文京区千石4丁目で

 調べでは、依頼を受けた医師は今年5月1日ごろ、許可がないにもかかわらず、点滴薬60袋を女に譲り渡した疑い。薬事法では、医薬品を販売・授与するには、薬局開設者か医薬品販売業の許可が必要と定めている。

 女はその後、朝鮮総連都本部が主催する「万景峰92号」での北朝鮮への訪問事業に参加した際、点滴薬と肝臓疾患の薬120アンプルを申告せずに荷物の中に隠して持ち出そうとして、税関の検査で見つけられた。

 女は、北朝鮮で医師をしている親族に会いに行こうとしていた、という。翌6月にも、点滴薬を隠して北朝鮮に持ち出そうとした事案があったため税関が不審に思い、警察に通報したという。

 国内メーカーなどによると、この点滴薬は、医師の処方箋(せん)が必要な総合アミノ酸製剤注射液。手術前後の患者の栄養管理に使われるほか、被曝(ひばく)による放射線障害で、消化管からの体液流出などの症状が起きた際に用いられるという。04年度までは都内の医薬品メーカーが輸出していたが、その後は輸出されていないという。

 今年6月には、東京都内の医薬品販売会社が、北朝鮮系の貿易商社などに、今回と同様の点滴薬を北朝鮮向けとして不正に販売したとして、神奈川県警が薬事法違反の疑いで書類送検している。

 女の親族には、過去に北朝鮮へのミサイル関連機器の不正輸出に幹部がかかわった「在日本朝鮮人科学技術協会(科協)」の幹部がいるという。北朝鮮では日本の点滴薬などは朝鮮労働党や軍の幹部しか使えないとされており、警視庁は、大量の持ち出しは北朝鮮当局の組織的な関与が強いとみている。

http://www.asahi.com/national/update/1127/TKY200611270131.html