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2006年11月26日(日) 21時27分

<DV被害>通報者の3割 警察の「安全確保なかった」 毎日新聞

 配偶者からの暴力(ドメスティック・バイオレンス、DV)を受けて110番通報した被害者のうち約3割が、警察に安全確保をしてもらえなかったと感じていたことが、民間団体の全国調査で分かった。01年のDV防止法施行から5年になるが、被害者にとって警察は最後の命綱ともいえるだけに、支援関係者は「研修を増やすなどして深刻さへの理解を深めてほしい」と訴えている。
 調査はDV問題に取り組む「北海道シェルターネットワーク」(札幌市)が今年8〜10月に実施。47都道府県の配偶者暴力相談支援センターや民間の一時保護施設(シェルター)を通じ、被害者に警察の対応を尋ねた。代理を含め、31都道府県の164人が答えた。
 110番通報をした経験があるのは82人。うち35%にあたる29人は、「一時保護施設や病院への移送、自宅周辺のパトロールなど具体的な安全確保はなく、事情聴取や加害者への警告、情報提供だけだった」などと答えた。うち10人は「あなたにも責任がある」との趣旨の発言をされたという。一方「具体的な安全確保策を取ってくれた」は46人だった。
 アンケートの自由記述では、「相談に素早く反応してくれない」(19人)、「警察署や担当課、警察官によって対応がばらばら」(13人)などの不満や、「全警察官にDV研修を義務付けてほしい」(14人)との要望もあった。
 警察庁のまとめでは、DVの認知件数は05年で1万6888件で、前年より2478件増加。加害者に接近禁止や退去を命じる保護命令も05年に初めて2000件を超えた。内閣府の調査では、被害経験がある女性は33・2%に上っている。
 同ネットワークの近藤恵子さんは「110番通報するのは切迫した状況であり、安全確保をしてもらえなかったのは大問題だ。DVが犯罪と認知されていないことが背景にある」と指摘している。【石川隆宣】
 DV問題に詳しい沼崎一郎・東北大教授(文化人類学)の話 警察での不十分であいまいな対応は、加害者を「この程度だったら大丈夫」と増長させ、被害者をより困難な状況に追い込む。110番通報は氷山の一角で、被害者と接する警察官にDV問題の教育を徹底することが急務だ。
(毎日新聞) - 11月26日21時27分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061126-00000056-mai-soci