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2006年11月25日(土) 00時00分

IC運転免許証 偽造対策の切り札 新たに導入されるICカード型免許証の見本。本籍が空欄となり、内部のICチップに記録される 東京新聞

 警察庁が開発したICカード型の運転免許証が来年一月以降、東京など五都県を皮切りに全国で導入される。多発する偽造の防止が目的で、民間でもカード読み取り機があれば精度の高い本人確認に利用できるため、同庁に金融関連や自動車、防犯設備メーカーなどさまざまな企業から問い合わせが相次いでいる。

 新免許証は、現行の免許証と縦横は同サイズで厚みがやや増す。ICチップに記録するのは氏名、生年月日、住所、写真など免許証表面の内容とほぼ同じ。本籍はプライバシー保護のためチップにのみ記録し、表面の記載からは削除する。

 現行の免許証は身分証として広く活用されているが、パソコンなどで精巧に偽造されるケースが多発。振り込め詐欺グループが、口座開設や携帯電話の契約に悪用する事件などが目立っている。

 表面の記載事項はコピーなどで偽造される恐れもあるが、ICチップは「偽造が極めて困難」(同庁)といい、民間でも読み取り機を開発できるよう仕様を公開した。

 新免許証の読み取り機に本人が四けたの暗証番号を入力すれば、相手側はICチップの記録内容を確認でき、表面の記載と照合することで真正な免許証かどうかを確かめられる。

 警察庁によると、これまでに十五社から問い合わせがあった。うち二社は自動車関連企業で、免許証を持つ本人以外ではエンジンが作動せず、盗難に遭いにくい車の開発などを研究中。こうした仕組みは、無免許運転の防止にも役立つため、交通事故の被害者らからも要望が強いという。

 また、ドアや防犯設備のメーカーなど八社が、建物に入ろうとする人の確認手段として検討しているほか、「酒類の購入者の年齢確認に使えないか」とする自動販売機メーカーや、自治体向けの電子投票システム、金融機関の自動契約機を開発している各メーカーも関心を寄せているという。

 警察庁は「さまざまな分野で安全確保に役立ててもらえれば」としている。新免許証は、来年一月に東京、埼玉、茨城、兵庫、島根の五都県で他県に先駆けて導入され、二〇〇八年度末までに全国に拡大する見通し。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061125/eve_____sya_____000.shtml