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2006年11月20日(月) 00時00分

ニューハーフのブロガー 超・乙女な私は“超人気” 東京新聞

 「みんなに読んでもらうブログだから楽しい方がいい。つらい気持ちは自分だけの日記に書けばいい」。不特定多数に読んでもらう個人の日記風サイト「ブログ」。中でも月間のアクセス数が五十万を超える、人気ブログ「ニューハーフそよの超・乙女改革。」の森田そよさん(大阪府豊中市)に、その人気の秘密を聞いた。 (テクニカルライター 森真由美)

 ビジネスマンでごった返すJR新大阪駅。コーヒーの香りが、駅の階段にも染み込んでいる。喫茶店で待っていると、うつむき加減で近づいてきたすらりとした女性が、森田さんだった。

 日常のハプニングや恋の話など、テンポのいい文章で熱狂的な読者を集め、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「ミクシィ」にはファンクラブもある。ブログの文章とは違い、大阪の喧噪(けんそう)にかき消されそうなか細さが印象的だ。

 性別適合手術を受けた性同一性障害者。「見た目は女だけど元は男。そこから読者がついてくるかどうかは文章次第」。ブログでは障害のつらさや泣き言は絶対に出さない。定期的なホルモン投与や全身麻酔の手術も笑い話のネタにする。「せっかく読んでもらうのだから、読者の方には気分良くなってほしい。元気が出てきたとか、恋がしたくなったとか、そんな感想が何よりうれしい」

 共感してくれるのは圧倒的に女性。「読者は男女半々くらいですが、男性は個人的にこそっと連絡してくる人が多い」。女性からの相談事も多い。「第二次性徴期のころには完全に自分を見失っていた。自分なんていなくてもいいんじゃないか、何のために生きてんねんと思っていた」

 大学を卒業して高齢者介護の仕事に就いた。死が日常の職場で感じたことは、「自分は周囲の支えで生かしてもらっている」ということだった。一人の人間として認めてくれる人がいるから、自分が生きていける。「好きなように生きればいい」というお年寄りの言葉に後押しされ、適合手術に踏み切った。

 「戸籍も姿も女、でもDNAはどうしても男。男とか女とか国籍とか年令とか、そういう言葉でくくられると区別や差別が出てくるでしょ。だからあえて“永遠の十七歳”」「まあ、ブログに北斗の拳とか出てくるから、同年代の人は分かっていると思う」と笑う。

 ブログの内容は、女性にはありふれた日常。生理用ナプキンを購入する時の恥ずかしさや、電車で痴漢にあったときに声が出なかったことなど。一番大切にしていることは、みんなに楽しんでもらうこと。安定した人気に、広告料が入るアフィリエイトへの誘いも多いが、そんな副収入には見向きもしない。

 「これからもみんなに楽しんでもらえるような何かをしたい。恋も出会いがあったらしたい、かな。恋をしているときは、ただ生きているだけで幸せだから」。乙女の人生はまだ始まったばかりだ。

 「ニューハーフそよの超・乙女改革。」のURLは、http://ameblo.jp/soyonoameblo/

<メモ>ブロガー ブログを公開している有名人としては、タレントの真鍋かをりさんやアイドルの中川翔子さん、ヤクルトの古田敦也監督などがいる。海外ではブログの動向が選挙結果を左右したりするなど、マスメディアとしての力もついてきた。総務省によると、日本国内のブログ登録者数は868万(3月末)。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20061120/ftu_____dgi_____000.shtml