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2006年11月19日(日) 22時28分

医師、名義貸しで報酬 コンタクトレンズ診療所朝日新聞

 診療報酬の水増し請求疑惑が相次いで発覚したコンタクトレンズ(CL)診療所で、実際には勤務しない医師を開設時に管理者として届け出て、医師が報酬を得ているケースがあることが、日本眼科医会の調査でわかった。診療は、別のアルバイト医師のほか、資格を持たない検査員が担当しているケースもあるという。診療所の管理者に勤務実態がなければ医療法に抵触する可能性もあり、厚労省は「事実であれば問題」としている。

コンタクトレンズ診療所の名義貸しを仲介する説明書

 名義を貸すだけで毎月数万円もらえる——。

 ある大学病院に勤める若手医師は、この春、CL診療所の管理医師として名義を貸す「仕事」があると、同僚から教えられた。

 診療所の開設には、常勤する医師が管理者として保健所に届け出ることが義務づけられている。

 数日後、仲介業者と会った。「管理ドクターとしての名義貸し」などと題された説明書には「患者さん(お客さん)との間でトラブルが生じた時は、ほとんど店側が対応してくれます」との記載もあった。業者から指定された診療所の開設場所は、CL販売を扱っている眼鏡チェーン店の隣にある。

 名義を貸すだけで、毎月、業者から支払われる報酬は9万円。迷わずに決めた。

 「名義貸しは違法かもしれないが、10万円足らずの月給だけじゃ生活できないんです」。この診療所ではアルバイト医師が交代で診察にあたっているという。

 仲介業者は朝日新聞の取材に対し、「以前は確かに名義貸しのあっせんをしていたが、今は保健所などの指導が厳しいと聞いてやっていない」と答えた。眼鏡チェーン店の広報担当者は「診療所の開設を仲介業者に委託し、コンサルタント料を支払っているが、名義貸しについては把握していない」としている。

 医会によると、名義貸しの背景には、眼科医不足があるという。眼科医は全国で約1万4000人。一方、CL量販店やCL販売を扱う眼鏡店は約2万店以上にのぼり、大半の店の近くにCLや眼科診療所がある。名義貸しによって開設されたとみられる診療所も数多くあり、資格のない技術員が検査や処方を行っているケースもあるという。

 各都道府県で社会保険などの審査委員を務めている医会の会員からは、名義貸しによって開設されたとみられる複数の診療所から、同じように水増しした診療報酬明細書(レセプト)が提出されているという報告も相次いでいる。

 医会の関係者は「眼科の知識がない医師や検査員が量販店や仲介業者に言われるまま会計処理している可能性があり、こうしたことも診療報酬の水増し請求を助長している」と指摘している。

http://www.asahi.com/national/update/1118/TKY200611180367.html