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2006年11月17日(金) 00時00分

【追跡】(8)2ちゃんねる、被害者より広告主重視ZAKZAK

 「2ちゃんねる(2Ch)を積極的になくす理由はない。このままダラダラ続くのではないか」

 匿名掲示板2Chの管理人、西村博之氏(29)は4日の講演会で、2Chの今後について語った。

 「広告代理店がサーバー側に直接お金を払う仕組み。僕が居ようが居まいが(2Chは)回る」

 2Chのデータは国内外の複数のサーバー会社で送受信される。西村氏の説明に従えば、「ゼロ」(札幌市)、「マリオネットコーポレーション」(東京都新宿区)などの代理店が集めた2Chへの広告出稿費のうち、サーバーの管理経費は各社に直接支払われる。いわば西村氏が失踪しても2Chは生き続ける構造だ。

 残りは西村氏が社長を務める合資会社「東京アクセス」(東京都北区)などに入金される。本人いわく、昨年の年収は「日本の人口(1億2700万)くらい」だ。

 広告料金は、例えば掲示板全体への出稿は月額157万円余、ニュースやゲームなど話題ごとに分けられたサーバーへの出稿なら1件月額31万円余。携帯電話で2Chを見る際に出る広告は別体系で、マリオネット社が取りまとめている。

 また、成人向け掲示板「PINKちゃんねる」も莫大な収益の源だ。名目上は米国在住のJim氏が管理人を務める2Chの外郭掲示板だが、2Chから直接アクセスでき、体裁も酷似。こちらの広告は運営母体とされるゼロ社が取りまとめ役だ。

 「データの転送量が増え、サーバー契約で苦労していた西村氏に、ゼロ社が米国の安価なサーバー会社を仲介し、見返りに2ChでPINKを併設して全利権を握った。このごろアダルト広告を載せてくれる人気サイトは少なく、業者にとって2ChやPINKは魅力的」(関係者)。ちなみにPINKの広告料金は2Chより高めの設定だ。

 最も人気の高い出稿先が「ジャンプページ」。両掲示板に貼られたリンク先をクリックして外部サイトに飛ぶ際、必ず経由するため見られる頻度が非常に高く、最高で月額450万円とされる。

 匿名性を堅持して「自由に発言できる場所」を目指す2Chは、これまで誹謗(ひぼう)中傷や個人情報など悪質な書き込みを放置して、訴訟など多くのトラブルを招いてきた。

 一方で掲示板に書き込まれる広告や募集告知などの書き込みは、きっちり削除している。西村氏自身、「放置すると広告ばかりになる。いかに止めるかはわりと(運営ボランティアに)一生懸命頑張ってもらっている」と講演会で説明した。

 こうして得られる広告収入は、年間総額6億円に及ぶともされる。書き込みによる被害者の保護よりも、お金を出してくれる広告主を重視する西村氏の姿勢は明白だ。

 西村氏は一昨年、週刊誌の取材に「2Chは10年もたない。飽きた。引き継ぎたい人がいれば任せる」と答えたが、金の成る木をみすみす手放すとは考えにくい。利権がからむ周辺も、簡単に閉鎖を許さないだろう。

 最近は裁判逃れのため新宿某所にこもり、「ゲームや不法ダウンロードした映画を見て暮らしている」(関係者)という西村氏。16日には30歳の誕生日を迎えた。(2Ch取材班)

ZAKZAK 2006/11/17

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_11/t2006111723.html