2006年11月16日(木) 12時06分

＜ネット依頼殺人＞長男は１審破棄し無期懲役　東京高裁（毎日新聞）

　長野県松本市の自宅で０５年１２月、無職、野本力さん（当時７６歳）が殺害された事件で、インターネットを通じて男に殺害を依頼したとして殺人罪に問われた力さんの長男の無職、野本富貴被告（５０）と孫の同、享孝（みちたか）被告（２６）の控訴審判決公判が１６日、東京高裁（池田修裁判長）であった。池田裁判長は、富貴被告に対し懲役２０年、享孝被告に懲役１３年とした１審・長野地裁判決のうち富貴被告への判決を破棄し、無期懲役の判決を言い渡した。享孝被告については被告側控訴を棄却した。
　判決によると、両被告は０５年１２月、財産目当てに力さんの殺害を計画。富貴被告がネット掲示板で茨城県土浦市、元派遣社員、片山直哉受刑者（３６）＝１審の無期懲役判決が確定＝に殺害を依頼、実行させた。享孝被告は報酬として２００万円を片山受刑者に提供した。
　富貴被告への１審判決破棄の理由について池田裁判長は「被告は首謀者であり、実行犯の片山受刑者に無期懲役の判決が言い渡されていることを考えると、懲役２０年という量刑は著しく軽きに失し不当だ」とした。
　１審判決を巡っては、富貴被告について検察・被告双方が、享孝被告については被告側が、それぞれ量刑を不服として控訴していた。【江連能弘】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061116-00000043-mai-soci