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2006年11月15日(水) 19時00分

いよいよ今週末!米でPS3、Wiiが発売に--次世代ゲーム市場を制するのは誰かCNET Japan

 18カ月間に及ぶ喧伝の末、3社による次世代ビデオゲーム機を巡る戦争の幕がついに切って落とされる。

 多くの人々がうんざりするほど長い期間、ビデオゲーム業界は、Microsoftの「Xbox 360」、ソニーの「PLAYSTATION 3(PS3)」、任天堂の「Wii」の新型ゲーム機3台のうち、どのゲーム機が勝利を収めるかを予想してきた。

 Xbox 360は1年前に発売されて以来、次世代ビデオゲーム機では先行してきた。しかし、ついに次世代ビデオゲーム機を巡る熾烈な競争が始まる。PS3が11月11日に日本で発売され、さらに米国時間17日午前零時1分(東部標準時間)に北米で発売される。ソニーの幹部らは、すでに一部のゲーマーたちがPS3を購入しようと列をなしている、と誇らしげに語った。そして、その2日後の19日午前零時1分(東部標準時間)には任天堂のWiiが発売される。

 果たして、どのゲーム機がトップの座に就くのか。これまで以上に素晴らしいゲーム機が出揃うため、多くの人々は、ゲーム機を巡る戦争の真の勝者は消費者だろうと考えている。しかし、一部の業界の専門家らは、今回もソニーがゲーム機の価格が高いながらも首位に立つと考えている。DFC Intelligenceのアナリストらは、向こう6〜8年間に販売されるゲーム機の販売台数は1億5000万台に達すると予想している。

 調査会社Envisioneeringのプレジデント、Richard Doherty氏は、「2010年、つまり、この世代のゲーム機がライフサイクルの中盤を迎える頃には、ソニーが首位に立ち、任天堂とMicrosoftが2位争いをしているだろう」と語った。

 しかし、ソニーが今後もゲーム機業界を支配し続けるとの予想を揺るがす大きな不安要素がある。PS3の最上位機の価格は599ドルであるが、プレミアム版Xbox 360の価格は399ドルであり、Wiiに至ってはわずか250ドルだ。つまり、ソニーは価格面での大きな不利を乗り越えなくてはならないのだ。

 しかし、Doherty氏は、ソニーがこの不利を乗り越えられると見ている。同氏がそう予想するのにはいくつかの根拠がある。まず第1に、PS3は過去に販売されたすべてのPlayStation 2およびPlayStation用ソフトウェアに対応している。一方、Xbox 360も多くのXbox用ゲームに対応してはいるが、すべてのゲームに対応しているわけではない。

 第2に、Microsoftは、仮にXbox 360用の外付けHD DVDドライブ(価格199ドル)に対する需要を満たせなければ、小売店のXbox 360離れを引き起こす可能性がある。Microsoftによると、外付けHD DVDドライブは当初11月中旬に発売予定だったが、すでに小売店に少しずつ出荷を始めており、来週あたりまで出荷を続けるという。

 しかし、Microsoftは2005年秋にXboxの品不足で小売店を窮地に追いやった過去があり、今度また供給不足で混乱を招けば、小売店らの怒りが爆発する恐れもある、とDoherty氏は述べる。

 「仮に十分なHD DVDプレーヤーが供給されなければ、小売店らは『こんなものいらない』と言い出すだろう」とDoherty氏は語る。無論、多くの人々は、ソニーもPS3で(Microsoftと)同様の供給問題を抱えることになるのではないかと懸念している。PS3は、高精細なBlu-ray Discプレーヤーを搭載している。より大きなパイ?

 では、任天堂のWiiはどうか。Wiiは、Xbox 360やPS3に比べ低価格の上、同機に搭載されているモーションセンサー技術がゲーマーたちの間で大きな話題となっている。

 ゲームメーカーElectronic Artsのカリフォルニア州レッドウッドショアーズにあるスタジオでバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるNick Earl氏は、「(Wiiの)コントローラは、一般的なゲーマーに及ぼす影響力という意味において、非常に革新的かつ斬新、刺激的だ」と語る。同氏はさらに、「(Wiiのコントローラは任天堂にとって)大きな武器になるだろう」と指摘した。

 また、セガのマーケティング担当バイスプレジデントScott Steinberg氏は、「われわれは、任天堂がパイ(ユーザー層)を拡大できると考えており、(仮にそうなれば)従来ゲーマーではなかった人々をこの業界に引き込むことができる。それは、ゲーム業界のすべての関係者にとって大変素晴らしいことだ」と述べ、さらに次のように続けた。「これまで任天堂は、年上の息子1人がゲームをプレーするのではなく、家族全員でプレーできるような、1人プレーよりも複数人プレーを重視する戦略を取ってきた」

 しかし、Steinberg氏は、ソニーのマーケティング力と世界的な顧客層の広さも脅威と見ている。

 Steinberg氏は「国際的に見て、ソニーのブランド力は否定できない」とし、さらに「世界的に見ると、ソニーはナンバー1ブランドだ」と付け加えた。

 世界最大手ゲームメーカーのElectronic Artsのある幹部は、ソニーは強力であると指摘する。

 「たしかにソニーとWiiはXbox 360に対して1年間の遅れを取っているが、長期的に見ればその程度は誤差の範囲内だ。大きな差と言えるのは2〜6年の期間が空いた場合だ」(Earl氏)

 同氏はさらに、ソニーの力を侮れないことは同社の歴史が証明している、と付け加えた。

 「ソニーは最強のゲームメーカーだ」(Earl氏)

 「ソニーは、販売力、設備ともに優れており、大変強力だ。長期的に見て、(MicrosoftがXbox 360を先に発売したことが)ソニーにとってハンデになるとは個人的に考えていないし、EAもそのようには考えていない」(同氏)

 Sony Computer Entertainment of America(SCEA)の共同最高業務責任者(COO)Jack Tretton氏は、5月にCNET News.comが行ったインタビューの中で、SCEAは業界最大手の地位を維持するための取り組みを今後も継続する必要があると語った。

 ソニーは、PlayStationとPS2という2種類のゲーム機でビデオゲーム業界を支配してきた。Tretton氏はその点に言及し、「われわれは、これまで行ってきたことを今後も行っていく必要がある」と述べ、さらに「最終的に最高のシステムを構築する必要がある。また、消費者の信頼を得る必要があり、さらに戦略の実行方法については、純粋なビジョンを持つ必要がある」と語った。

 一方Microsoftも、自分は、ライバルたちがうらやむような立場にあると考えている。

 Microsoftの法人担当バイスプレジデントとXboxチームの責任者を兼任するPeter Moore氏は、「われわれは(ライバル企業に対して)丸1年間先んじており、その優位性を最大限生かすつもりだ」とし、さらに「われわれは、(Xbox 360の)累積出荷台数が600万台に達したと発表したばかりだが、12月末までに1000万台に到達すると予想している」と語った。

 さらにMoore氏によると、Microsoftの幹部らは、同社にはさらに別の優位性もあると考えているという。同氏はその根拠として、クリスマスまでには計160種類のXbox 360用ゲームソフトが提供されるようになる点と、Xbox Liveオンラインサービスの加入者が400万人を突破した点を挙げた。とは言うものの、一部の業界関係者は、たしかにソニーは欧州でのPS3の発売を延期しているものの、先にXbox 360を発売したMicrosoftの優位性は、長期的に見ればさほど大きくはないと見ている。

 米ゲーム市場調査会社DFC Intelligenceの社長、David Cole氏によると、無論、次世代ゲーム機市場は均等に3分割される可能性もあるという。しかし、そのCole氏も市場が50:25:25に分かれる可能性の方が高いと指摘する。

 仮にそうなった場合、ソニーの市場シェアは同社がPS2で獲得した70%には届かないが、「ソニーが依然として大本命であることは否定できない」とCole氏は語る。


この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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[CNET Japan]
http://japan.cnet.com/
(CNET Japan) - 11月15日19時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061115-00000011-cnet-sci