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2006年11月15日(水) 08時00分

国際詐欺にひっかかる? スケート連盟の久永元会長 横領で再逮捕産経新聞

 ■「金の使途 投資に」 携帯、ナイジェリアと通信履歴

 日本スケート連盟元会長の久永勝一郎被告(75)=背任罪で起訴=が連盟主催の「NHK杯国際フィギュアスケート競技大会」の準備金約400万円を着服し、先物や株取引に流用したとして、警視庁捜査2課は14日、業務上横領容疑で久永被告を再逮捕した。逮捕は3回目。

 久永容疑者は、会長在任中の7大会で準備金のほぼ全額にあたる七千数百万円を流用したとみられる。久永容疑者による計約6300万円の裏金づくりが既に判明しており、1億3000万円を超える連盟の金を私的流用していた。

 また、東京地検は14日、連盟に約1800万円の損害を与えた背任罪で久永容疑者ら2人を追起訴。裏金を受領した元理事らは連盟に直接損害を与えていないなどとして立件されないという。

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 「のめり込んでいた投資や個人的支払いに使った」。久永勝一郎容疑者は横領した金の使途をこう供述している。スケート連盟関係者によると、久永容疑者は、「419事件」と呼ばれるナイジェリアを発信元とする国際的詐欺事件にひっかかり、連盟の金を流用していた疑いがあるという。横領金の一部もつぎ込んだとみられる。

 「419」とは、ナイジェリア刑法で詐欺罪にあたる第419条にちなんでいる。外務省などによると、典型的な手口は、ナイジェリア政府高官や「中央銀行」関係者を名乗る男からファクスや手紙で「極秘の取引」でのもうけ話を持ちかけられるというものだ。日本では1980年代から被害が確認されており、外務省が海外渡航者らにホームページでも注意を呼びかけている怪しい投資話。「外務省に週1回は被害相談がある」(同省海外邦人安全課)

 「419」の中でも最近増えているのが、黒く塗られた米ドル札を見せ、「特殊な薬品を塗ると元に戻るが、薬品を買うために資金が必要」と現金をだまし取る手口。久永容疑者も黒く塗られた米ドル札を連盟幹部らに見せびらかしていた。「だまされているのでは」といさめられても聞く耳を持たなかった。久永容疑者の公用携帯電話には、業務に関係ないナイジェリアと数百回やりとりした履歴が残っていた。

 久永容疑者の元側近は「晩年は欲の皮が突っ張り、小さい大会にも顔を出すほど愛していたスケートへの熱は薄れ、別人のようになってしまった」と、背任と横領事件の背景を解説した。
(産経新聞) - 11月15日8時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061115-00000013-san-soci