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2006年11月14日(火) 00時00分

知事の立件、最高検と最終協議 談合共犯の疑い 和歌山朝日新聞

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記者会見で辞職を表明した木村良樹和歌山県知事=2日、和歌山県庁で

 和歌山県発注工事をめぐる談合事件で、大阪地検は14日、木村良樹知事(54)=辞職表明=が県発注の下水道工事の談合に関与した疑いが強まったとして、競売入札妨害(談合)の共犯容疑での立件に向け、最高検との最終協議に入った。15日に方針決定するとみられる。談合容疑で再逮捕された前県出納長の水谷聡明(さとあき)容疑者(60)が、同工事を受注した共同企業体(JV)に同県海南市の建設会社「丸山組」=同容疑で会長らが逮捕=を参入させたことについて、「木村知事の指示だった」と、知事の関与を全面的に認める供述をしている。一連の官製談合事件は、県政トップの立件という重大局面を迎える。

 大阪地検特捜部は、木村知事が再選した04年8月の知事選で丸山組から支援を受けた見返りに、便宜を図ったとみている。県庁内で発見した木村知事の裏金とみられる数百万円の現金について、同社が工事の受注時期に集金に関与したことが判明しており、受注との関連についても事情を聴くとみられる。

 調べによると、木村知事は、水谷容疑者や業界内で談合を仕切っていた大林組元顧問の日沖九功(ちかのり)被告(64)=競売入札妨害罪で起訴=らと共謀。04年11月に入札があった「紀の川中流流域下水道(那賀処理区)那賀幹線シールド工事」(予定価格約11億5千万円)を準大手ゼネコン「熊谷組」のJVに受注させるよう談合した疑いが持たれている。

 この際、木村知事は丸山組を熊谷組のJVに入れるように水谷容疑者に指示。同容疑者が日沖被告に対し、丸山組の名前を挙げ、「この工事を強く希望しているので入れてほしい」と要請したという。

 調べに対し、水谷容疑者は「木村知事から『知事選で世話になった丸山組にシールド工事を受注させてやってほしい』と言われた」と供述している。また、県幹部や地元業者の担当者らからの任意の事情聴取でも、水谷容疑者と同様の供述を得ているという。

 関係者によると、同容疑で今月9日に逮捕された丸山組会長の田渕利都(としくに)容疑者(79)らは、木村知事が再選を目指していた04年8月の知事選で、再選阻止を目指すグループの中心人物だった元県議(故人)に対し、運動をやめるように要請。地元票の取りまとめ役となり、自民党の推薦を得られるよう国会議員や県議らに働きかけた。さらに事務所用地を提供したり、集会で同社社員らを動員したりするなど、木村知事を熱心に支援したという。

 木村知事は旧自治省財政局指導課長や大阪府副知事を経て、00年9月に和歌山県知事に初当選。04年に再選したが、今月2日、「県政の混乱の責任をとる」として辞職することを表明。12月2日付で退職する。

 <和歌山談合事件> 和歌山県が04年11月に実施した4件のトンネル工事入札をめぐり、県の前出納長と、木村知事の知人のゴルフ場経営会社元代表らが今年10月12日、大阪地検特捜部に競売入札妨害(談合)容疑で逮捕された。うち前出納長と元代表、業界内の談合を仕切っていた大林組元顧問ら5人が11月1日、競売入札妨害罪で起訴された。前出納長は、トンネル工事と同時に実施された下水道工事入札をめぐる談合容疑で、元代表は所得税法違反(脱税)容疑で、それぞれ同2日に再逮捕された。同9日、特捜部は知事公舎を談合容疑で家宅捜索、下水道工事に参入した同県海南市の建設会社「丸山組」の会長ら幹部3人を同容疑で逮捕した。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200611140049.html