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2006年11月14日(火) 00時00分

【追跡】(6)ひろゆき「賠償金ほしけりゃ法律つくれ」ZAKZAK

年収は1億円超 「裁判には、まぁ、ヒマだったら行く」

 「(裁判に)勝とうが負けようが、(賠償金を)払わなければ一緒」

 匿名掲示板「2ちゃんねる(2Ch)」は悪質な書き込みで訴訟が絶えないため、管理人の西村博之氏(29)は面倒ごとを避けて失踪中。裁判所の出頭命令は無視しながら4日、自転車に乗って早稲田大の学園祭に現れ、講演会でアナーキーな持論を展開した。

 会場は20代男性を中心に、立ち見を含めて約650人の満員。西村氏の人を食ったような、ノラリクラリとした受け答えに喝采を送った。

 裁判逃れを続ける理由は、「北海道から沖縄まで似たような裁判に呼ばれているので、自腹で日本中を回るか、1件100万円以上払って弁護士をつけるか。でも『(裁判を)やらない』という選択肢をとったら、何も起きなかった」と説明。

 賠償金不払いに関しては、「子供の養育費の踏み倒しや消費者金融のグレー金利のように、ルールがあっても守ってないのが多いから、(賠償しなくても)いいんじゃねぇの、という感じ」と見解を語った。さらに「賠償金を強制的に払わせる方法はこれ以上ない。イヤなら国会議員に献金して、そういう法律をつくればいい」と挑発した。

 2Chの無法空間化も意に介さない。現実世界でもネット空間でも大人数が集まる場所で「全く犯罪が起こらないはずがない」。月1000万人が訪れる2Chで「完全に犯罪を抑えられたらノーベル賞もの」と語る一方、「2Chで起こる犯罪は犯罪予告、風説の流布、名誉棄損くらいで、たいしたことない」と述べた。

 悪質な書き込み人を特定するIPアドレスを公開すれば西村氏は訴えられずに済むとの指摘もあるが、「積極的に公開するほうが面倒」で、「効果がないと法律もルールもできない」と別の善後策も頭にない。さらには「窃盗の検挙率は5割を切っている。(どんな被害でも)それが必ず回復すると思わないほうがいい」と、やられ損もやむなしとの考えを示した。

 だが、責任を問う声に対して、「『東京では犯罪が多いけど、都民としてどう思いますか』というのと同じ感じ。僕自身から完全に離れてる」と語ると、さすがに会場も声を失った。言うまでもなく、この例えなら西村氏は一都民ではなく都知事。治安への無関心が許されるわけがない。

 むしろ西村氏が無法状態を望んでいる節もある。「健全なサイトは腐るほどあるが、危ないところはそんなにない。(新宿区)歌舞伎町のように怪しげなほうが好奇心のある人が集まる。胡散臭いほうがいい」。

 事実、歌舞伎町の法律スレスレの店を楽しむ人がいるように、2Chで出会い系サイトやクレジットカード現金化サービスなどアングラな広告に目を引かれる利用者も多いようだ。広告収入などにより、「今年、年収のケタが変わった。日本の人口より少し多いくらい」と西村氏は告白した。

 億単位を稼ぎながら、賠償金は一切払わず。この日、爆破予告をした“テロリスト”はおろか、西村氏に法の裁きを望む原告や弁護士、債権者、シカトを食らう裁判所関係者が、会場で動きを見せることはなかった。(2Ch取材班)

ZAKZAK 2006/11/14

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_11/t2006111426.html