悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年11月11日(土) 17時08分

漫画家はらたいらさん死去、63歳肝不全日刊スポーツ

91年7月16日、二女麻衣子さんの舞台げいこの様子を漫画で描くはらたいら    クイズ番組の名物解答者として知られる漫画家はらたいら(本名・原平)さんが10日午後、肝不全のため埼玉県富士見市の病院で死去した。63歳。批評精神の効いたナンセンスギャグ漫画で注目を集め、77年からはTBS系「クイズダービー」にレギュラー解答者として出演。「はらたいらさんに○○点!」のフレーズで親しまれた。最盛期は月産300ページの売れっ子漫画家も、49歳ごろからは男性更年期障害に苦しんだ。体験記や中高年を応援する著書も多く、最近は講演活動に忙しかった。
 はらさんの遺体は自宅には帰らず、病院から葬儀・告別式が営まれる東京・板橋区の斎場に向かった。午後8時すぎ、自宅に戻った妻ちず子さんは「主人は『不服はない。本望だ』と言っていました。63歳でしたが、十分生きられたと思います。最期は家族に囲まれて旅立ちました」と気丈に話した。
 関係者によると、はらさんは、9月下旬に体調不良を訴えて検査入院。10月に入り埼玉県富士見市の病院に転院した。1週間前に容体が急変しこの日朝、危篤状態となったという。ちず子さんは「肝臓がんでしたが、素晴らしい先生に出会って手術できる状態でした。でも、主人はお酒が好きで肝硬変もありました。もう末期状態でした」と説明した。
 はらさんは高知県生まれ。14歳から漫画雑誌に投稿を始め、63年に雑誌連載「新宿B・B」でデビュー。21歳の時に高校の1年後輩のちず子さんと結婚。時事漫画を中心に「ゲバゲバ時評」「モンローちゃん」などのヒットを飛ばし、批評精神の効いたナンセンスギャグで注目を集めた。下積み時代の経験から、来た仕事は断らない性分で知られ、最盛期には「週刊漫画」「漫画サンデー」「漫画アクション」など月に300ページ分の連載と20回の講演をこなした。
 77年からは、前任者の黒鉄ヒロシさんに代わり、博識ぶりを買われて「クイズダービー」の3枠解答者としてレギュラー出演した。92年まで15年間にわたり活躍。27問連続正解の記録や7割5分という圧倒的な正解率から「宇宙人」の異名を持ち、ハンサムなルックスもあって茶の間の人気者になった。
 92年秋に男性更年期障害に襲われた。「漫画が描けない。アイデアが浮かばない」。クイズダービーで多忙を極めていた49歳の時だった。目まい、頭痛、不眠などが主な症状。それまで5時間程度あった睡眠時間が2、3時間に減った。仕事量も3分の1をこなすのがやっとの状態に。闘病は8年間に及び、体験記「はらたいらのジタバタ男の更年期」「男も『更年期』がわかると楽になる」を相次いで出版。ちず子さんと二人三脚で乗り切った闘病生活を告白した。「更年期は『期』だから、必ず終わりがあります」と、同じ悩みを持つ中高年層を励ました。
 こよなく酒を愛したことでも知られた。ウイスキーをボトル1本空けることもたびたび。関係者は「仕事のストレスをアルコールで発散したのだろう」と振り返る。ただ、その代償として肝臓を痛めていったようだ。もっとも、更年期を克服してからは「酒を飲んでもうまいし、食事は1日3食しっかり食べている」と健全な食生活に戻り、地元・高知にある「はらたいら記念館」に展示する作品の制作などに打ち込んでいた。
(日刊スポーツ) - 11月11日17時8分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061111-00000028-nks-ent