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2006年11月11日(土) 08時00分

78歳絞殺 窃盗未遂逮捕のヘルパー、殺害認める産経新聞

 東京都大田区の無職、田中綾子さん(78)が先月29日、自宅で絞殺された事件で、事件直後に田中さんのキャッシュカードで現金を引き出そうとしたとして、警視庁蒲田署捜査本部に窃盗未遂容疑で逮捕されていたホームヘルパー、村山美智子容疑者(61)=西東京市=が田中さん殺害を認めていることが10日、分かった。

 村山容疑者は今春、車いすで独り暮らしの田中さん宅に2回、介護に来ていた。6月に破産宣告を受け、知人に100万円以上の借金があった。田中さんにも借金を申し込んだが断られたといい、「どうしても金がほしくてやった」などと供述しているという。

 調べでは、村山容疑者は先月29日午後1時すぎ、豊島区の銀行で、田中さんの預金口座から現金10万円を引き出そうとした疑い。暗証番号が違い、引き出せなかった。ビデオに村山容疑者が写っており、今月3日に窃盗未遂容疑で逮捕されていた。

 田中さんは先月29日午後0時半ごろ、タオルで絞殺されているのを別のヘルパーが発見。カードのほか、通帳入りのバッグや現金がなくなっていた。

 村山容疑者は平成2年から老人ホームで介護の仕事を始め、平成16年に田中さんへの派遣先となった会社に登録した。

                   ◇

 ■ヘルパー 求められる高い倫理観

 高齢者の在宅介護を支えるホームヘルパーの事件が後を絶たない。犯罪を起こすヘルパーは一部だが、東京では独り暮らしの高齢者が増え、孤独死対策の安否確認役も期待されるなど、ヘルパーの役割が高まるなかで起きた事件に、福祉関係者らの衝撃は大きい。田中綾子さんの親戚(しんせき)も「信頼しているはずのヘルパーの犯行はやりきれない」と肩を落とした。

 ヘルパーをめぐっては、今年8月には、訪問先の男性(71)方からキャッシュカードを盗み現金50万円を引き出した窃盗容疑で神奈川県警に逮捕された。昨年10月にも認知症とされる女性(84)から現金1億円以上をだまし取った準詐欺と窃盗容疑で岩手県警に逮捕されている。「ヘルパーは訪問先で現金や通帳を預かることもあり、『出来心』で犯罪に手を染めてしまう」(捜査幹部)

 一方、独り暮らしの高齢者の“見守り役”など、セーフティーネット(安全網)の一員として、ヘルパーへの社会的要請は高まっている。

 都内では高齢者の独り暮らしが増加。65歳以上の独り暮らしは約50万人。高齢者の5人に1人が独り暮らしとされる。ヘルパーは自宅を訪れ、高齢者と接することから、異変に気づきやすい。孤独死対策への具体的な施策が見いだせず、自治体も安否確認を民生委員に加え、ヘルパーにも頼ろうとしている。

 社団法人日本介護福祉会の担当者は「1人で利用者の家に出入りするヘルパーは高い倫理観を持っていなければならない。今回のような事件を教訓に、利用者も見えるところに貴重品を置かないなどの自衛策も必要だろう」と話している。
(産経新聞) - 11月11日8時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061111-00000009-san-soci