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2006年11月10日(金) 20時21分

ソニーと任天堂の新型機が発売、「次世代ゲーム機戦争」火ぶたロイター

 [東京 10日 ロイター] 「次世代ゲーム機戦争」が11日、火ぶたを切る。ソニー<6758.T>傘下のソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が同日、新型機「プレイステーション(PS)3」を日本で、任天堂<7974.OS>は19日、新型機「Wii(ウィー)」を北米でそれぞれ発売。ソニーが、最先端技術をふんだんに盛り込んだPS3の高性能を前面に打ち出しているのに対し、任天堂は、大ヒットした携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」と同様、Wiiの親しみやすさを強調して、ゲーム初心者を含めた幅広いユーザーの取り込みを狙う。PS3は17日に北米、Wiiは12月2日に日本で販売が始まる。

 <PS3、序盤は苦戦か>

 PS3の特徴として、ハード面の充実が挙げられる。次世代DVDの「ブルーレイ・ディスク(BD)」に書き込まれたゲームソフトのコンピュータグラフィックス映像は、高精細で実写との差がわからないほどの画質。これを実現するのが、スーパーコンピューターに匹敵する演算能力を持つ高性能プロセッサー「Cell」。ソニーが米IBM、東芝と共同開発したPS3の心臓部だ。価格は、ハードディスクの容量が20ギガ(1ギガは10億)バイトの機種だと、国内4万9980円、米国499ドル。国内価格は、当初6万2790円を予定していたが、9月下旬に引き下げを発表。11日の国内発売時は、対応ソフト5タイトルが同時投入される。欧州での発売は来年3月を予定している。

 SCEの久多良木健社長は9月22日、東京ゲームショウでの基調講演で、価格引下げの理由について「高いといわれると、『夢の世界』が実現できない」と述べた。Cellなどの半導体開発で数千億円を投資したソニーにとって、PS3は失敗が許されない戦略商品。2007年3月期にソニーがゲーム事業で2000億円の赤字を見込むのも、Cellなどの開発費の初期負担が重いことが主因だ。ソニーは、今後のPS3の出荷数の増加と半導体の歩留まり向上によるコスト低減で、来期以降のゲーム事業の黒字化を目指すとしている。
 こうしたシナリオは、PS3が順調に売れることが前提。だが、ゲーム雑誌出版社、エンターブレインの浜村弘一社長は、値下げ後もなお価格が高いことや、立ち上がり時のソフト数の少なさを理由に「PS3は世界的に序盤は苦しむ」と指摘。いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、発売直前の現状について「マニアの間では盛り上がっているが、(一般には)広がりがないというのが率直な見方だ」と述べている。

 一方、最先端機能を満載したPS3は、短期間には陳腐化せず、長寿命になるとの見方もある。モルガン・スタンレー証券アナリストの小野雅弘氏は、レポートで「最終的に(出荷台数が1億台を超えた)PS2並みの普及可能性は十分にある。製品のライフサイクルは長いと考える」と指摘。PS3のソフトはハイビジョン画質で表示可能なため、高画質の液晶・プラズマテレビの普及が進んでいることは、「PS3には追い風」との声も聞かれる。

 <WiiのライバルはDSか>

 ソニーの高機能路線に対し、任天堂は、「親しみやすさ」「遊びさすさ」に活路を見出してきた。任天堂の岩田聡社長は、2002年5月の就任以来、「ゲームが高機能化、複雑化し、ユーザーのゲーム離れを招いた」、「われわれが一番怖いのはユーザーのゲームに対する無関心」などと繰り返し強調。そうした問題意識をもとに開発した携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」が2004年12月の発売以来、累計販売台数が2600万台を超える大ヒットとなった。特に「脳を鍛える大人のDSトレーニング」で女性や中高年層など従来、ゲームと縁の薄かったユーザーの取り込みに成功した。

 Wiiの国内価格は2万5000円で、国内では発売時に16の対応ソフトでスタートする。岩田社長は9月14日のWii発表会で、「1世帯あたりのゲームユーザーをいかに増やすかを考え抜いた」と語った。新開発したゲームコントローラーは、テニスゲームではラケット、野球ゲームではバットを振るようにして遊ぶ仕掛けだ。ゲーム業界関係者からは「飽きやすいのでは」との指摘も聞かれるが、任天堂の広報担当者は「スポーツゲームでは、同じショットを二度と打てないほど、多様なバリエーションがある。このあたりは、アナログ的な技術で工夫した」と説明する。

 むしろゲーム業界では「WiiのライバルはDS」との声が目立つ。DSが「年末に向けてさらに売れ行きが加速している」(広報)中で、同時期に発売するWiiが影響を受ける可能性は否定できない。任天堂は、Wiiの前世代となる据置型ゲーム機「ゲームキューブ」が2001年9月の発売以降の累計販売台数が2100万台に止まり、PS2に完敗。最近は据置型ゲーム機での成功体験が乏しいだけに、Wiiの成否は同社の今後を占う試金石になりそうだ。
(ロイター) - 11月10日20時21分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061110-00000797-reu-bus_all