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2006年11月09日(木) 00時00分

〈表現の秋〉マンガ・アニメに女装少年、ギャップ楽しむ朝日新聞

 美少女の中に女装少年が交じったり、女装少年と男装少女の恋愛だったり。そんな女装少年が登場するマンガやアニメが目立つ。しかも少年マンガで、こうした傾向が見られ始めた。

10月に発売された「椿ナイトクラブ」第1巻。女装少年(左)が表紙に

 例えば、「椿(つばき)ナイトクラブ」(週刊少年チャンピオン連載中)。ケンカの強い少女が幼なじみの少年を守ろうと鉄拳を振るう。少女に「姫」扱いされる少年は徐々にヒロイン度がアップし、女装に至る。

 「描きたいように描いたらこんなことに」と作者の哲弘さん。少年が男にホレられたり、女装したりした回は読者アンケートの順位が上がったという。

 「さっきまで普通の男子だったのに、女装させると突然かわいく見える。そのギャップが面白いのかな」

 宮野ともちか作「ゆびさきミルクティー」(ヤングアニマル連載中)の主人公の少年は、美少女姿の自分自身にいつしか引かれる。

 「男装の麗人」が定番の一つの少女マンガでも女装少年が現れている。つだみきよ作『プリンセス・プリンセス』(新書館)は、「男子校に潤いを与えるため」主人公らが女装させられる。今年、アニメと実写ドラマになった。

 新條まゆ作「愛を歌うより俺(おれ)に溺(おぼ)れろ!」(少女コミック連載中)は、かわいい女装少年とかっこいい男装少女という組み合わせの恋愛を描く。

 秋のアニメ新番組では、TBS系「天保異聞 妖奇士(あやかしあやし)」、各地のUHF局で放映中の「はぴねす!」などに、女装キャラが登場する。

 「妖奇士」は、妖怪退治チームに女装青年と男装少女がいる。脚本の會川昇さんは「彼らは、境界に立つ者。人は異世界にあこがれるが現実の中で生きていかねばならない。そのテーマを、キャラクターからも見せようとした。何より、日本には歌舞伎と宝塚という『作られた性こそ美しい』とする文化がある。アニメキャラだって、作られた美です」と話す。

 女装少年を描いたり、男性キャラを「女性化」させたパロディーを楽しんだりする同人誌即売会も開かれている。東京都内で先月あった即売会に来た男性は、「女装して恥ずかしがったり、懸命に女の子らしく振る舞ったりする描写に“萌(も)える”。マンガもこれだけ増えると、普通の女の子では物足りなくなる」と話す。この即売会では、女装コンテストも呼び物だ。

 評論家の藤本由香里さんは「同人誌やボーイズラブ(男同士の恋愛)誌で、女性たちは男の中の“女の子”性をさまざまに追究してきた。男性向け同人誌でも、『かわいい男の子』ネタは以前からある。それが今、一般誌に広がってきた」と分析。また、受け手側の変化も感じるという。

 「バラエティー番組では、KABA.ちゃんら“乙女キャラ”の男性タレントが人気だし、男らしさ、女らしさに縛られない空気が世の中に広がっている気がします」

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200611090228.html