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2006年11月07日(火) 00時00分

旅行者の口コミ情報サイトがウケル理由読売新聞

「旅行の情報は旅行者自身が最も豊富に持っている」

 旅行者の口コミ情報を柱にしたサイト「フォートラベル」が急成長中だ。5年後には旅行系サイトの中でトップを目指すという。サイトの創設者に人気の秘密を聞いた。


津田 全泰  つだ・ぜんたい
フォートラベル代表取締役社長
 1976年、群馬県出身。慶応大総合政策学部卒。在学中の98年8月、MDM(現在の楽天)に8人目の社員として入社。2003年4月、同社を退社し8月にフォートラベル株式会社を設立、以後現職。05年1月、同社は価格コムに買収され完全子会社になった。
http://4travel.jp/
—— 「フォートラベル」はどんなサイトですか。

津田 旅行者の視点で、旅の始まりから終わりまでを手助けすることを目指しています。簡単に言うと、旅に特化したブログ、コミュニティーサイトともいえます。

 旅に出て、帰ってくるまでの旅行者の行動をよく考えると、いくつかの段階に分けられると思います。第1に行き先や、やることを決め、次に移動方法や泊まる場所を選ぶ。さらに旅先で何をするか、具体的なプランを練る。旅先でも地元のうわさなどの情報を集める。旅が終わると誰かに話を聞かせる。

 フォートラベルは、旅行者が投稿した情報を整理して、それぞれの段階にシームレスに対応できるようにしています。

—— どんな風に使うのですか。

津田 旅行に行こうと思っている人の立場で言うと、まず「旅行記」を見て面白そうな旅先を、ピックアップします。旅行記は旅行者が投稿した写真付き日記です。現在、2万2000人が9万2000件の旅行記を投稿しています。

 旅行記は「バリ島」「京都」のようにエリア別のほか、「世界遺産」「ダイビング」などテーマごとでも分類されています。

 行き先を決めたら、今度は航空券や宿泊先を選びます。「とにかく安く」という人から「快適さ」を優先する人まで様々な望みを満たせるように、クリックひとつでリストが表示されます。

 日程の大枠が決まったら、評判のよいレストランやお店など、旅先での過ごし方を決めるためのきめ細かな情報を「クチコミ」コーナーで調べられます。また、「ソウルでおいしい焼肉は?」と質問を書き込むと、会員から回答が得られる「教えて!トラベラー」というコーナーもあります。

 旅行が終わったら、土産話を「旅行記」に投稿できます。誰が読んだのかがわかる「足あと」機能や、読者のコメントやメールを受け付ける仕組みを設けています。

—— フォートラベルのアイデアはどうやって生まれたのですか。

津田 旅行の情報は旅行者自身が最も豊富に持っていると思っています。会社を設立した2003年ごろ、旅行関連のサイトは、ガイドブックを出している出版社が手がけているものか、旅行代理店や航空、鉄道などが運営しているものばかりでした。

 学生のころから旅行が大好きでガイドブックだけでなく、インターネットを使って情報収集をしていました。その経験から、個人のホームページにはかなりの情報があることはわかっていたので、「個人が持っている情報を集めれば、優れた旅行情報サイトができるのではないか?」と感じました。

 ちょうど、ブログのようにネットユーザーが簡単にホームページを作れる仕組みが流行り始めていたので、これを使ったら旅行者の情報が大量に集められると考えました。

 個人のホームページの弱点は、旅行に行った時期が書いていなかったり、レイアウトが見にくかったりする点です。分類し、検索することを前提に、ある程度整った形で情報を集めておけば、見る人にも便利だろうと思いました。投稿する側も、たくさんの人に見てもらえるのでうれしいでしょう。

—— ガイドブックや旅行代理店が提供する情報を信頼していない?

津田 そんなことはありません。旅行のプロが提供する商品の情報は、旅行者に絶対に必要なものです。旅行者とプロとの力関係をうまくバランスする必要があると思っています。

 ネット以前は、旅行代理店や交通関係会社、ガイドブックや雑誌からの情報発信ばかりで、旅行者からの発信はなかった。現在、これだけネットが広まった世の中だと、今度は旅行者側が強くなって、プロの側がネットの活用を怖がってしまっているように感じます。どちらも、バランスがよくない。

 フォートラベルは、旅行者と関連業界とがうまくコミュニケーションできるプラットフォームにしたいと思っています。

 会社設立の時、社名を”旅行者のために”という意味の「フォートラベラーズ」にしようと思ったのですが、「旅行者に言いたい放題をやらせるだけが目的ではない。旅行者が間違った情報を投稿してきたら、プロから『それは違いますよ』と言ってもらえるほうがいい」と思って、”旅行のために”という意味の「フォートラベル」に軌道修正したのです。旅行者と旅行業界との情報を組み合わせて、旅の面白さを伝えるのが目的だと思っています。

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20061107nt01.htm