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2006年11月07日(火) 17時00分

ベルル共済問題:徳島、高知両県警が強制捜査 資金の流れ解明へ /愛媛毎日新聞

 ◇ずさんな運営、驚く被害者
 「ベルル生命医療保障共済会」(本部・徳島市)が多額の掛け金を集めたまま営業停止した問題は、徳島、高知両県警が6日、強制捜査に踏み切ったことで新たな局面を迎えた。両県警は今後、詐欺、背任などの容疑での立件を視野に押収した会計書類などを分析、資金の流れを解明する。被害者からは経営実態の解明に向けての期待の声が寄せられた。【向畑泰司、近藤諭】
 徳島市東大工町1の同共済会本部には午前9時ごろ、徳島県警の捜査員13人が到着。10月20日の営業停止以降、無人となっていたビルの扉の鍵を開け、内部に入った。ビル前には立ち入り禁止のテープが張られ、報道陣や近隣の住民が捜索の様子を見守った。
 本部ビルの捜索は1階から3階まで全階で行われ、深夜に及んだ。ビルからは顧客データなどが入ったパソコンや資料などが入った段ボール箱が運び出された。
 高知県でも高知県警と徳島県警の捜査員が合同で、同社高知支社(高知市南はりまや町)など2カ所に入った。同支社では午前8時40分ごろ、捜査員15人が報道陣のフラッシュを浴びながら1列に並んで支社の入居するビルへ。社員2人の立ち会いを受け、事務所の家宅捜索に着手。入り口の窓には段ボールで目張りされ、室内の様子は厳重にガードされた。
 この日は顧客の訪問はなく、トラブルはなかった。高知県警生活環境課によると、押収した資料は徳島県警に運ばれたという。
 徳島、高知両県警は捜査員85人を動員。捜索先は徳島市の本部、各支社や関係者の自宅など12カ所に上った。
 徳島県警ではこれまでに捜査員を高知県に派遣。高知支社の従業員から、経営停止に至る経緯や経営状況について事情を聴いた。同共済会の運営会社「ベルルライフサービス」の役員から通帳や印鑑、保険証書などの任意提出を受け、強制捜査の準備を進めてきた。10月30日には4県警の捜査担当者が徳島市内で連絡会議を開き、対応を話し合った。
 県警では押収した資料を調べ、共済商品や社債の販売額、会員から集めた資金の流れなどの分析を急ぐ。本部、各支社の従業員からも事情聴取する方針。捜査主体となる徳島県警生活環境課は「今回押収した資料を精査し、役員らの関与を調べ、全容解明に努めたい」と話している。
 ◇「しっかり捜査して」会員期待
 同共済会に対する捜査について、会員からは期待の声が上がった。徳島市内の70歳代の無職の女性は「1人ではどうすればいいのかわからず、金を払っていたことも思い出したくない。あきらめようと思っては、また考え直すような毎日。こんな詐欺まがいの会社を二度と野放しにしないよう、警察にはしっかり捜査してもらいたい」と話した。
 小松島市内の男性(61)は「報道などで、ずいぶんずさんな運営をしていたんだと驚いている。被害者が納得いくまで、会社の実態を解明してもらいたい」と話した。【加藤明子】
 ◇ベルル共済会、改善計画提出せず
 四国財務局(高松市)は同共済会に対し、保険業法に基づく業務停止命令と業務改善命令を出した。一部の回答期限は6日だったが、同共済会から回答はない。
 同局によると、回答期限を迎えたのは業務改善計画の提出。回答がない場合、同共済会に対する対応の再検討を迫られるが、「期限を超えたからといって、すぐ業務廃止命令を出すということはない。情勢を見守りたい」としている。
 ある関係者は「ヒアリングなどの手続きを踏んだ上での刑事告発もある」と分析する。【深尾昭寛】

11月7日朝刊
(毎日新聞) - 11月7日17時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061107-00000290-mailo-l38