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2006年11月07日(火) 17時35分

倉吉信金職員着服:「信用」裏切る幹部隠ぺい 退職金支払い、告訴見送り /鳥取毎日新聞

 ◇批判は必至
 複数の職員による1億円を超える着服と幹部の隠ぺいが2日、明るみに出た倉吉信用金庫(倉吉市昭和町1、安部和臣理事長)。地域の発展に寄与する金融機関を舞台にした“犯罪行為”を中国財務局(広島市)に報告せず、業務改善命令を受けた安部理事長は、辞任の意向を表明した。一方、安部理事長は全額弁済したことを挙げ、退職金を支払った上で告訴しないと明言。着服の最高額は3425万円に上っており、「信用」が第一の信金トップの判断に批判が集まりそうだ。【山下貴史】
 同信金によると、6支店の渉外・融資係担当の30〜35歳の男性職員7人が00〜05年、普通預金を無断で払い出すなどして1人当たり3425万〜30万円の計1億565万円を着服。安部理事長は「司直に委ねることが将来の事故を防げるとは思わない」として、告訴しないとした。
 同財務局は2日、着服事実を隠ぺいして届け出なかったとして、信用金庫法(不祥事件等の届け出)違反と判断し業務改善命令を出した。これを受け、同信金は▽現監査室に弁護士1人を配置▽別の弁護士や税理士ら第三者による監査機関の設置——などで再発防止を図る。
 安部理事長は95年10月に理事長に就任。任期は07年6月までだが、今月中旬に開く総代会(地区代表70人)で辞任する方針。役員ら幹部も、近く開かれる理事会で進退を決める。
 現在務めている倉吉商工会議所の会頭職についても、「決断しないといけない」と述べ、辞任を示唆した。
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 ■視点
 ◇弁済で開き直り 経営理念どこに
 キャッシュカードの解約を頼まれながら、そのまま無断で使う。署名・なつ印してもらった預金の払い戻し請求書を使い、あたかも顧客になりすまして引き出す……。次から次へと顧客をだまし、自転車操業のように無断で預金を着服した職員が6年間で7人。最多で23回の犯罪行為を繰り返し、計3287万円を着服した職員もいた。
 全額弁済により「実害がない」との論理で、賞罰委員会も開かずに退職金を支給。業務上横領などに問われる今回の犯罪は、被害者となる同信金側が告訴しなければ成立しないが、「身内に甘いといわれればそれまで」(安部理事長)と開き直る態度に終始した。
 「地域のすべての企業、勤労者、家庭の繁栄と幸せをもたらすため貢献します」。同信金の経営理念に近づくには、余りにも道が遠い気がする。【山下貴史】

11月3日朝刊
(毎日新聞) - 11月7日17時35分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061103-00000149-mailo-l31