2006年11月07日(火) 15時07分

＜和歌山談合＞木村知事、元出納長を「調整役」で抜てき（毎日新聞）

　和歌山県発注の土木工事を巡る談合事件で、木村良樹知事（５４）が００年１０月に元県出納長の水谷聡明容疑者（６０）を知事公室審議監に抜てきした際、ゴルフ場経営会社元社長の井山義一容疑者（５６）らと相談し、「談合の調整役」を担わせることを決めていたことが関係者の証言で分かった。大阪地検特捜部も経緯を把握している模様で、同年９月に初当選した木村知事が、就任当初から官製談合を認識していたことを示す重要証言とみて捜査している。
　関係者によると、木村知事は知事選直後、知事公室長や審議監など要職人事について、選挙で全面支援を受けた井山容疑者や県内土建業界に強い影響力を持つ県最高幹部ＯＢらに相談した。
　その際、幹部ＯＢが県職員当時の部下で土木部次長だった水谷容疑者を審議監に起用するよう木村知事に推薦。土木部の業務に精通し、地元土建業界に顔が広いことなどを考慮し、県庁側の意向を「天の声」として伝える役割も任されたという。
　水谷容疑者も自分が抜てきされた理由を承知していたとみられ、周囲に悩みを相談。当時の同僚は「悩んでいる様子で、審議監を受けるかどうか迷っていた」などと話している。
　井山容疑者は県幹部の人事を左右する影響力を持っていたことが既に明らかになっており、０４年８月の再選直後には当時の出納長に退任を促し、後任に水谷容疑者を推薦していたことも分かっている。【日野行介、田中龍士、辻加奈子】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061107-00000061-mai-soci