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2006年11月07日(火) 00時00分

ネットの申し子たち はてな 川崎裕一副社長(29)  東京新聞

 ——はてな創業の歴史は。

 「二〇〇一年に近藤淳也社長が創業した。最初のサービスは『人力検索はてな』。近藤社長の父親がインターネットを操作しようとしても、何から始めていいのか分からなかったエピソードが創業のきっかけ。日常で知りたいことがあれば、誰か知っている人に質問して理解する。日常生活同様の質問方法と回答を、利用者同士で行うのが人力検索の特徴だ」

 ——川崎副社長がはてなに入ったきっかけは。

 「ネット系の会社を経て、〇四年八月に入社した。自分でも起業しようと思ったが、はてなは技術力があり、自分で会社を興すより大きいことができると思い面接を受けた」

 ——大学生時代から現在の第三世代経営者と親交があったと聞く。

 「自分のホームページに、日米の起業環境の違いというテーマの卒業論文を掲載した。その論文が、渋谷にあったIT企業集積地『ビットバレー』を率いた『ネットエイジ』の社員の目にとまった。ネットエイジを訪問すると、ミクシィ社長の笠原健治氏や、グリー社長の田中良和氏らがいて、交流が始まった。自分はネットに詳しいと思っていたが、他のみんなも同様に詳しく驚いた」

 ——同世代の仲間と上の世代を比べると。

 「意識はあまりしないが、(自分たちの)特徴は金もうけは二の次、三の次ということ。インターネットで生活を豊かにしたいという思いが強い。(二〇〇〇年前後の)インターネットバブル時はお金をもうける時代だった。第三世代は学生中か、入社直後にネットバブルの崩壊を経験した。技術がないと生きていけないことを学んだ」

 ——近藤社長は米・シリコンバレーに渡り、子会社を設立した。

 「米国のネットサービスのほうがまだおもしろいものが多い。日本にとどまっているだけではだめだという理由で、社長は子会社をつくった。日本と米のはてなはライバル。おもしろいものを発案できるかで勝負だ」

 ——斬新なサービスを提供できるように心がけていることは。

 「『自転車は人間が自分の力で移動できる最速の機械。自分の力以上のスピードは出ない』という近藤社長の発案で、手当を出し自転車通勤にしている。はてなのサービスは人力検索やブログ(ネット上の日記)など人が書き、書き手が多ければ価値が高まる。(ネット上で)『人間の力の最大化』というはてなの思想をいつも認識するため自転車通勤にしている」

 人力検索のほかに、辞書機能と連携したブログ(ネット上の日記)や地図を提供するなどサービスは10を超える。会員数は約50万人で月間の利用者は800万人近い。

 近藤淳也社長が京大大学院中退後、2001年7月、京都で創業。04年春に東京に移転した。今年8月に近藤社長ら社員3人は米・シリコンバレーに渡り、子会社を設立。日本側の責任者である川崎裕一副社長は「(近藤社長は)1、2年では帰ってこない」として、日米で新サービスの開発競争を繰り広げる。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20061107/mng_____kei_____005.shtml