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バグダッドのイラク高等法廷で5日、死刑判決を受けて異議の声をあげるフセイン元大統領=AP
イラク情勢の泥沼化で批判を浴びるブッシュ米政権にとっては、中間選挙2日前の死刑判決は、イラク政策の正しさを訴える材料となりそうだ。しかし、元大統領支持者の多いスンニ派の武装勢力が、シーア派主導の現政権やイラク駐留米軍への反発を強めるのは必至。一向に改善しないイラクの治安がさらに悪化する可能性もある。
判決が言い渡されたのは8人。死刑を求刑されていた4人のうち1人だけは終身刑とされた。
起訴状によると、元大統領らは、82年7月にイラク中部ドゥジャイル村を訪問した際のシーア派による大統領暗殺未遂事件の報復として、村民らの拘束と処刑を命じ、148人を死亡させ、女性や子どもも劣悪な環境の収容所に連行した。
判決は、こうした事実を認定。アブドルラフマン裁判長が死刑を言い渡すと、元大統領は右手を振り上げ「お前は(米国の)家来だ」などと叫んだ。
5日の公判では罪状と判決だけが示され、詳細な判決理由は後日公表される予定だという。
元大統領らは「アンファル作戦」と呼ばれるクルド人に対する大量殺害事件でも起訴されており、7日にも審理が予定されている。
イラク高等法廷は国連ではなく占領国である米国主導でつくられ、国際法廷ではない。国際人権団体「ヒューマンライツ・ウオッチ」は5日、AFP通信に「国際的な関与がなく、判決と証拠がしっかり結びついていない」と判決を批判した。