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2006年11月04日(土) 08時04分

増殖し始めたネットいじめ 警視庁「悪質なものは事件化」産経新聞

 警視庁の電話相談窓口「ヤングテレホンコーナー」に寄せられる「ネットいじめ」の相談が、増加傾向にある。インターネットのサイトに個人が特定されるような書き込みで誹謗(ひぼう)中傷を受けたり、悪口が書かれた電子メールが送られたり…。「パソコンと携帯電話の普及とともに、いじめの形態も変わっている」。警視庁は悪質なものは事件化も考えるとしている。(宝田将志)

 ヤングテレホンでは臨床心理士や警察官ら職員8人が人間関係や犯罪被害などの相談を匿名で受け付けている。例年、約6000件の相談が寄せられ、いじめに関する相談は130件前後。昨年は214件と増加し、今年は9月末までで104件となっている。

 いじめ相談のうち「近年、目立っている」(警視庁少年育成課幹部)のが、ネットの書き込みやメールでの誹謗中傷など「ネットいじめ」についての相談。記録が残っている過去3年だけでも平成16年35件、昨年41件、今年は9月末時点で36件と増加している。大半が中高生ら未成年からだ。

 ある女子中学生は、部活動のポジション争いに絡み、ネットの掲示板に逆恨みされたような悪口が学校名、本名とともに書き込まれ、不登校になった。男子中学生の場合は、いじめを受けて不登校になった後も「死ね」「もう学校に来るな」などという発信者の分からないメールが送られ続け悩んでいるという。

 ネット環境と子供の育成についての研究などを行っている任意団体「ネット社会と子どもたち協議会」の富田好明さんは、「ネットいじめ」について「相手の表情や苦しんでいる様子が分からない分、表現が過激で暴力的になる傾向がある」と指摘。さらに「メールなどを使って申し合わせることで、一晩で仲間はずれにできてしまう。被害者を生み出しやすい環境にある」と話す。

 ヤングテレホンでは相談を受けると、掲示板の管理人への書き込み削除依頼やメールの受信拒否設定などのアドバイスを送るという。しかし多くの場合、ネットの匿名性が障害となり、根本的な解決の第一歩となるべき「加害者側の特定」が難しいのが現状だ。

 そこで少年育成課は、悪質な「ネットいじめ」と判断した場合には、ハイテク犯罪対策総合センターに連絡し加害者を特定するなどして「事件化することも含めて対応したい」とする一方、被害を受けている子供たちに「一人で解決しようとせず助けを求めてほしい」と呼びかけている。

                   ◇

 ヤングテレホンは(電)03・3580・4970。年末年始を除く平日は午前8時半から午後8時、土日祝日は午後5時まで。

【2006/11/04 東京朝刊から】

http://www.sankei.co.jp/news/061104/sha003.htm