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2006年11月04日(土) 15時23分

採血し効果強調、“ブレスレット商法”注意呼びかけ読売新聞

 「腕にはめるだけで血液がさらさらになる」などと勧誘し、ブレスレットなどを売る詐欺的商法にまつわる相談が、全国の消費生活センターに相次いでいる。

 客に血液を採取させ、それを顕微鏡でのぞかせて「使用前・使用後」の“効果”を強調する手口が多いが、専門家は「顕微鏡では、血液の状態は分からない」と指摘しており、国民生活センター(東京)などが注意を呼びかけている。

 こうした商法に関する相談は2004年ごろから増加。読売新聞の集計では、今年だけで12都道府県の消費生活センターに少なくとも計79件の相談が寄せられている。このうち岩手県内の無職男性(77)は8月下旬、同県滝沢村で開かれた古美術品などの展示即売会場で、ブレスレットを販売していた業者から「血液の検診をやってみませんか」と声をかけられた。

 業者は針を渡し、ブレスレット着用前後に計2回、血液を男性に採取させ顕微鏡でのぞかせた。男性には、装着後の血液の方がさらさらに見えたことから、その場で20万円のステンレス製ブレスレットを買う契約を結んだ。

 しかし、後日、不審に思って盛岡市消費生活センターに相談。交渉の末、商品を返品し代金は戻った。

 男性は「『血管がボロボロ』と繰り返し言われ、怪しいと思いつつも買ってしまった」と話す。一方、この業者は読売新聞の取材に対し、「法律的な問題はないが、誤解を与えるといけないので、血液検査はやめた」としている。

 ほとんどの業者は、顕微鏡で自分の血液を見させるなどした上で、20万〜30万円のブレスレットや、数十万円の布団などを買わせている。

 しかし東大医学教育国際協力研究センターの北村聖教授(血液学)は「ブレスレットや寝具によって短時間に血液循環が良くなる効果は実証されていない」と指摘。さらに、「2枚のガラス板に血液を挟み、強く押しつけるとさらさらに見える。血液の状態を正確に測定するのは顕微鏡では不可能」と話す。

 中には業者自身が販売に際し、客から採血しているケースもある。客自身が血液を採るのは問題ないが、医師や看護師の資格がない業者が採取すると医師法に触れる疑いが強い。

 悪質商法に詳しい弁護士の村千鶴子・東京経済大教授は、「健康効果は確認できず、詐欺的な商法と言わざるを得ない。医師以外が販売している『健康器具』は基本的に信用しない方がいい」と呼びかけている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061104it07.htm?from=top