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2006年11月04日(土) 19時35分

政治団体会費、強制の通知 都宅建業協会杉並区支部朝日新聞

 不動産業者でつくる「東京都宅地建物取引業協会」(都宅協)が、新規加入者に系列の政治団体への加入を事実上条件付けて賛助金を集めていた問題で、都宅協杉並区支部が、都宅協と政治団体の年会費を一括して徴収する通知を都宅協加盟の全業者に出していたことがわかった。政治団体に賛同せず、年会費を支払っていない業者にも通知しており、「政治活動の強制だ」と反発の声が上がっている。

年会費の一括徴収の方針を知らせる都宅協杉並区支部の文書

 都宅協杉並区支部は「事務作業の簡素化が目的で、政治的意図はない」と説明しているが、業界団体と政治団体との区別を明確にするよう求めている国土交通省は事態を重視。週明けにも実態調査に乗り出し、改善を求める考えだ。

 都宅協杉並区支部などによると、「会費支払方法の変更についてのお願い」という通知を10月下旬、木下清隆支部長らの名前で約700の加盟業者に郵送した。

 通知は、来年度分から都宅協(4万8000円)と全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)の6000円、都宅協の系列政治団体「東京不動産政治連盟」(東政連)の3000円の計5万7000円を、毎年5月に一括して銀行引き落としするとしている。いずれも3団体の年会費で、都宅協と全宅保証分は法人名で、政治資金規正法の規定で個人献金しか受け付けられない東政連については個人名で、それぞれ領収書を発行すると書かれている。

 木下支部長によると、年会費はこれまで、団体ごとに異なる口座に加盟業者が振り込んでいた。期限内に支払わない業者には、支部役員が集金に行ったり督促したりしていたが、役員の高齢化や事務経費節減などのため一括徴収することにしたという。木下支部長は「振り込みが引き落としに変わっただけで、政治的な思惑は一切ない」と強調する。

 杉並区支部では、約1割強に当たる80〜90業者が東政連の会費を支払っていなかったが、今回の通知は全業者に送っている。会費支払いを拒んでいる不動産業の50代男性は「東政連の活動に賛同せず、会費を払っていない人からも強制的に徴収するのか」と憤る。

 不動産業を開業したり支店を新たに開設したりする場合、都宅協など業界団体に加入した上で全宅保証などの保証団体に分担金60万円を支払うと、法務局へ供託する営業保証金1000万円が免除される。このため都内では約6割が都宅協に加盟。都宅協はその際、東政連への加入を条件にして入会金にあたる賛助金20万円を徴収しており、業者の十分な理解を得ないまま政治献金として処理していることが明らかになっている。

     ◇

 〈キーワード:業界団体と政治団体〉 日本歯科医師連盟(日歯連)の1億円ヤミ献金事件を受け、当時の坂口厚労相が04年、「公益法人と政治連盟は峻別(しゅんべつ)しなければならない」との見解を示し、政府は各業界団体に是正指導している。

 政治資金規正法は国などの補助金を受けている業界団体など公益法人に、政党や政治家への献金を禁じており、業界団体は政治団体を設立して、業界に影響力のある政治家らへ働きかけをするケースが目立つ。業界団体と所在地や役員構成が同じ政治団体もある。

http://www.asahi.com/national/update/1104/TKY200611040206.html