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2006年11月03日(金) 00時00分

ネットの申し子たち<1> ミクシィ 笠原健治社長(30)  東京新聞

 インターネット業界で「第三世代」と呼ばれる経営者が脚光を浴びている。幼少のころからパソコンに触れ、学生時代にネットを駆使、その延長線上で起業した三十歳前後の若き経営者だ。ネットの申し子ともいえる彼らは、第二世代ほどの貪欲(どんよく)さには欠けるといわれながら、独自のビジネスモデルを構築、株式上場する企業も出てきた。彼らはネットの将来像をどう描いているのか、聞いた。

 ——インターネットビジネスを始めようとしたきっかけは。

 「マイクロソフトやアップルなど米国の情報技術(IT)ベンチャーをモデルとした経営戦略を大学のゼミで勉強した。雑誌や新聞の情報などからも『これからはネットビジネスが来る』と確信。何かやろうと決心した」

 「一九九七年十一月、在学中に求人サイトを始めた。これが、ミクシィの前身だ。パソコンを買ったのはその時が初めて。二カ月くらい独学で勉強、プログラミングはできなかったがホームページを作成。一人でサービスを開始した」

 ——ミクシィのビジネスモデルのヒントは。

 「二〇〇三年の夏、新しいサービスを何かやろうと話し合った時、同僚から海外でSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が流行しているという話を聞いた。ネット上で、プロフィルを公開し現実社会と同じ人間関係を楽しめるということに驚いた。ネット社会もついにここまで来たのかと」

 「しかし、(当時のサービスは)ただ人脈図を公開しているだけで、利用者が継続して使ってくれるかどうかには疑問もあった。そこで、会員同士のコミュニケーション手段として日記や情報交換の場としてコミュニティーを取り入れた」

 ——会員は六百万人近くまで増えた。どんなサービスを目指すのか。

 「音声や動画などにより多くのコミュニケーション手段を可能にしたい。人と人がつながっているというSNSの特徴を生かした効果的な電子商取引(EC)も可能ではないか」

 ——ヤフーや楽天など大手もSNSを開始し競争も厳しい。

 「切磋琢磨(せっさたくま)してよいサービスをつくるのは重要なこと。だが、今は(国内で)一番利用者が多い。利用者が増えるほど価値が高まるというSNSの特性も生かせる」

 ——第三世代と呼ばれることは。

 「期待をいただいていると思うのでしっかり応えたい。しかし、上(第二世代)や横(第三世代)を意識してもしょうがない。自社のサービスの向上を追求していくだけだ。世の中の生活を変えていけるようなものを提供していきたい」

<ミクシィ> 笠原健治社長が東大経済学部在学中の1999年6月に東京都渋谷区に設立。当初は、情報技術(IT)系求人サイトを運営。2004年2月、日記やプロフィルを公開し、共通の趣味などを通じて交流を図るSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を開始。売上高18億9000万円、最終利益5億7000万円。従業員約90人。今年9月14日に東証マザーズに上場。

<メモ>情報技術(IT)の第3世代経営者 インターネット関連企業の経営者を世代別に分けた呼び方。1976年前後の生まれが多いことから「ナナロク世代」と呼ばれることもある。第3世代企業からはミクシィやドリコムなどが上場。一方、第1世代はネットがはやる前に起業した経営者でソフトバンクの孫正義社長らがいる。ITバブル期に起業した楽天の三木谷浩史社長やライブドアの堀江貴文前社長らは、第2世代に入る。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20061103/mng_____kei_____003.shtml