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2006年11月01日(水) 00時00分

リフォーム詐欺読売新聞

工事契約一人で決めない

中里昇さん

 不要な工事契約を結んで代金をだまし取るリフォーム詐欺には、悪質商法の様々な手口が使われています。高齢者は狙われやすく、被害も高額になることが多いため、特別の注意が必要です。建築士で日本建築家協会埼玉建築相談室長の中里昇さんにポイントを聞きました。(本田麻由美)

プロの手口

 リフォームのトラブルは、大半が訪問販売によるものです。国民生活センターによると、昨年度は1万件近くの相談が同センターに寄せられました。中里さんの相談室でも5年ほど前から、強引な契約やずさんな工事などのトラブルが急増し、被害者の約7割が60歳以上と見られるそうです。

 多くは、「外壁にヒビが入ってますよ。近所の工事に来てるので、ついでに無料で見てあげます」と持ちかけて来ます。「点検商法」です。外壁や屋根など外から見える不具合のほか、排水管の掃除や耐震調査を口実にする例も多く、「今なら特別割引」も決まり文句です。

 点検後、デタラメな図面を書いて「このままだと家が傾く」と不安をあおり、まず耐震補強材を設置し、さらに、今度は「サービスです」と床下をのぞき、乾燥剤や換気扇の契約へと持っていきます。これが「次々販売」です。

 一度家に上げると、相手は訓練を受けたプロなので、時に優しく時に脅され強引に契約させられてしまいます。このことが他の業者に伝わると、別の業者が次々に訪れることになります。

 値段はあってないようなもの。平均契約金額は約300万円ですが、昨年5月に発覚した埼玉県の事件では、認知症の老姉妹が19業者に契約させられたのは5000万円に上りました。

訪問販売は避ける

 注意する点は、一人で決めない、被害に遭ってもあきらめない、など、悪質商法の場合と同じです。ただ、専門性が高いため、悪質でなくてもトラブルが起きる可能性はあります。▽良心的な業者を探す1社で決めない証拠を残す——などを心がけましょう。また、訪問販売でないとクーリングオフの対象にならないので、契約は慎重に。

 「玄関や外壁のキレイな家も、逆に住宅に関心が高いと見られて狙われる。最も大切なのは、リフォームは基本的に訪問販売では契約しないということ」と中里さんは話しています。

リフォーム工事の注意点 ・基本的に訪問販売では契約しない
・信頼できる業者を選ぶ
・1社で決めず、複数業者から見積 もりをとる
・契約は書面で行う
・一人で判断せず、家族や専門家に 相談する

業者選びのヒントは?

住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、業者とのトラブルなどについて、電話で相談に応じている

 個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所」の長嶋修会長によると、業者を見極めるには、見積もりを頼んだ時、業者が配管などの構造が分かる詳細図面を要求してくるか、見積もりに材料の質や数を明記しているか、などが判断材料です。

 財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営する「リフォネット」では、電話やインターネットで約4100の登録事業者を紹介しており、参考になります。

 リフォーム問題に詳しい犬塚浩弁護士(東京都中央区)は「悪質商法撃退だけでなくリフォームの助言も得られるので、有料だが建築士にアドバイザーになってもらうよう頼むのも有効」と話しています。

主な相談先 ◎住宅リフォーム・紛争処理支援センター((電)03・3556・5147)
◎リフォネット((電)03・3556・5144)
◎各都道府県、市町村の相談窓口
◎各地の建築士会、建築士事務所協会、日本建築家協会の相談窓口
◎各地の消費生活センター

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kaigo/rounen/20061101ik05.htm