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2006年11月01日(水) 00時00分

自殺校長、遺書にも人柄…丁寧な字で生徒に謝罪ZAKZAK

 「右願い、一命を副えてお願い致します」

 高久校長が残した5通の遺書のうち、31日に公開された1通には、調査書、成績表で生徒に不利益にならない処置を頼み、未履修の生徒らには迷惑をかけるが補修を受けてほしい旨が丁寧な字で記されていた。

 佐竹高では3年前から理科基礎を、今年度から世界史Aを教えず、3年生80人が必修漏れとなっていた。高久校長は昨年度まで大子町の高校に勤務し、廃校に伴って今年4月から同校に赴任。校長は27日、生徒向けに単位不足の説明会を開き、「非常に申し訳ない。教員側の判断でやったことなので君たちは悪くない」と謝罪したという。

 「挨拶すると気さくに世間話をしてくれた」「放課後はいろいろな部活を回り、積極的に自分らとふれ合ってくれた」。半年で生徒の心をつかみ、遺体発見が報じられた30日午後7時すぎには、泣きながら学校にかけつけた女子生徒もいた。

 佐竹高から車で1時間半、茶畑と牛舎が広がる山間の集落に高久校長の自宅はある。校長は理髪店の長男として生まれ、東京の私大に進学後、教師として地元に戻った。

 小中学校で同級生だった工場主の男性(58)は「学校一の秀才。同期の出世頭だった」と話し、親交の深い同級生の女性(58)も「優秀で優しいし、周囲に気遣いする人」と人柄を語る。

 男性は「先生というと気後れするが、オレらみたいな学歴のない人間にも分け隔てなくつき合ってくれた。同期の仲間11人で『ガンバレ会』をつくり、年に数回集まるが、先生は『定年まであと2年、お互い頑張ろう』と話していた」と語る。定年後は「趣味の魚釣りをして太公望で暮らす」「家族でカナダに旅行したい」と楽しみにしていたという。

 自らの命を絶った29日も高久校長は早朝、日課の犬の散歩にでかけ、顔を合わせた近隣住民には、この日行われる地域のハイキングに「参加する」と話していた。だが午後2時に妻が外出後、車で2キロほど山中に入り、親の代には茶畑だった自分の土地で、カシの木にロープをかけた。

 先の女性は「家庭も円満で、学校の問題が理由としか思えない」としたうえで、「昔から正義感が強く、曲がったことが嫌い。素人考えだが、赴任先で前からいた先生たちの申し出を断れず、不正を認めてしまった自分を許せなかったのではないか」と話している。

ZAKZAK 2006/11/01

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_11/t2006110112.html