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2006年11月01日(水) 14時01分

「番号持ち運び制度」スタートから1週間、本当にお得で便利なのは?読売新聞

 携帯電話会社を変えても今の電話番号が使える「番号持ち運び制度」がスタートして、31日で1週間が過ぎた。(永田毅、竹内和佳子、河野越男)

 すでに制度を利用して携帯会社を変更した人もいるが、各社の料金プランが複雑なことなどから、「持ち運び制度を使おうにも、どのプランが得か、わからない」との声も多い。各社の主なプランを比較した。

様々な割安プラン、他社への通話料にも注意

 携帯電話の利用者にとって、通話料は安いほど大歓迎だ。携帯各社は「誰によくかけるか」「1日どれくらい通話するか」などの利用タイプに応じ、様々な割安プランを用意している。

 ソフトバンクモバイルの「ゴールドプラン」は月額の基本料9600円で、ソフトバンク契約者同士の通話、メールが原則無料という。2007年1月15日までに加入すれば、基本料は2880円になる。

 「通話無料」には制約がある。電話がこみあう午後9時から午前0時59分までの通話が月に3時間20分を超えると、30秒あたり21円の追加料金がかかる。1日につき7分弱しか無料にならない計算だ。

 NTTドコモ、KDDI(au)はともに、他社の携帯電話にかけても無料になる枠を設けたプランを用意している。「ゴールドプラン」と基本料金がほぼ同額のドコモ「タイプL」(月額基本料1万80円)は最大で月に5時間、KDDI「プランL」(同9975円)は同4時間22分の通話がそれぞれ無料になる。

 ソフトバンクの孫正義社長は30日、「ゴールドプランは他社への通話料が割高と指摘を受けた」として、11月10日から、他社への通話料を30秒あたり一律21円にすると発表した。

 ただ、ドコモのタイプL(30秒あたり10・5円)、KDDIのプランL(30秒あたり12・6円)に比べると、1・7〜2倍割高だ。

複雑さは3社とも大差なし、制約や割引率もチェック

 ソフトバンクのゴールドプランに加入するには、携帯電話機を割賦で購入する「新スーパーボーナス」に同時に入らなければならない。

 電話機の代金はソフトバンクが補てんするため、2年間の割賦で購入した場合、高額機種などを除いて利用者の負担額はゼロになる。しかし、割賦の途中で解約すれば、利用者は残金の全額を支払わなければならない。

 例えば、携帯電話と携帯情報端末(PDA)機能を融合した多機能携帯電話端末「X01HT」を購入後、すぐに解約すれば、割賦販売価格の7万1280円を支払う必要がある。

 「パケットし放題」(1029〜4410円)など3種類の有料契約も同時に加入しなければならず、最初の2〜4か月は無料だが、それを過ぎれば自動的に更新されて料金が発生する。無料期間でも解約することができるので、不利と判断すれば解約を忘れないようにすることだ。

 ドコモとKDDIはどのプランでも、家族で加入したり、1〜2年間の契約を結んだりすれば、基本料が割り引かれる。両社の最も安いプランは、月額基本料3780円。家族割引と継続利用割引を併用すると、基本料は毎年段階的に下がり、11年目以降1890円になる。

 ただ、継続利用割引の解約料は、1年契約のドコモの「新いちねん割引」と、KDDIの「年割」が3150円。2年契約の「MY割」(KDDI)は9975円と割高だ。

 ネットで携帯電話などのニュースを掲載する「ケータイウォッチ」の湯野康隆チーフは、「とても長い期間、同じ会社の携帯電話を使い続けるなら、ソフトバンクがお得だろう。11年目以降に基本料の割引率が70%で、他社より大幅だからだ。ドコモとKDDIは長期契約の割引率がほぼ同じで、情報配信など他のサービスを比べて選んでは」とアドバイスする。

 ソフトバンクの孫社長は「日本の携帯電話は料金プランが複雑怪奇だ」と指摘する。だが、利用者から見れば、複雑さは3社とも大差がないとの声もある。

PHSの定額制

 定額制プランは簡易型携帯電話(PHS)最大手のウィルコムも導入している。PHS同士の通話に限るが、「ウィルコム定額プラン」は月額基本料2900円で他社へも「通話し放題」になる。

 2時間45分以上連続して通話すると、超過分に30秒あたり10・5円の追加料金がかかるが、その前に一度切ってかけ直せば、再び無料だ。

 ウィルコムは番号持ち運び制度の対象外だが、ソフトバンクが割引期間中の申し込みに限り、基本料を2880円としたのは、「ウィルコムを意識したため」との見方もある。

 ただ、PHSの契約数は9月末時点で487万人と、ソフトバンクの契約数(9月末1530万人)の3分の1にとどまる。その分、通話し放題の「範囲」も小さいことになる。

「つながりやすさ」も大事なポイント

 携帯会社を選ぶ際には、「つながりやすさ」も大事なポイントだ。「今はつながりにくいイメージがある」(ソフトバンクの孫正義社長)と言うように、携帯3社では、NTTドコモやKDDI(au)に比べ、ソフトバンクモバイルが最もつながりにくいというのは、多くの利用者の実感のようだ。

 つながりやすさを示す尺度は、「人口カバー率」という指標を使うことが多い。携帯を利用できる地域の人口が、総人口の何%にあたるかを表したもので、3社とも99%を超えている。一見すると、全国どこでも通話できるかのようだ。これには一つの「からくり」がある。

 カバー率は、各市町村の役所で携帯電話が通じれば、その市町村の全住民が利用できると見なし、人口にカウントする仕組み。実際には圏外で使えない地区があっても考慮しないため、利用者の実感とは相当の差が生じる。

 実際の「圏外」地域が多ければ、他社に利用客が流れる恐れもあるため、携帯各社は基地局の増設を急いでいる。

 ソフトバンクは07年3月末までに、基地局を現在の2倍近い4万6000局まで拡大する計画だ。一方、ウィルコムは、07年3月末までに人口カバー率を99・3%に高めるとしている。現在の基地局(約16万)は都市部に集中しており、パソコンを接続したデータ通信も十分に対応できる。

「よくかける相手」が決め手

携帯電話研究家 木暮祐一さん

 携帯電話の通話料を安くするコツは、よく電話をかける相手がどの携帯会社と契約しているかを、まず確かめることだ。

 例えば、ふだんは家族など決まった相手としか通話しない人は、家族や仲間と一緒にソフトバンクモバイルの「ゴールドプラン」に加入すれば、通話とメールが原則無料になるのでお得。

 他社の携帯にもよく電話するなら、NTTドコモとKDDIのプランの方が、ほとんどの場合でソフトバンクの「ゴールドプラン」より通話料が安い。

 ドコモとKDDIのプランは内容が似ており、それぞれ通話料に応じて5コースを用意している。月々の自分の通話時間を考えて、無料通話分をちょうど使い切るくらいのプランが一番お得だ。

 通話のつながりやすさも携帯選びの重要なポイントになる。自宅や会社など、自分がよくいる場所で電波が入るかどうかを確認してから、携帯電話を購入した方がよい。友人の携帯を借りて試してみるのも一つの方法だろう。

 機能面では、NTTドコモの「おサイフケータイ」はクレジット機能などが充実しており、利用できるコンビニや量販店も多い。KDDIは、音楽配信に対応した電話機が充実しており、携帯で音楽を聴く人にはお薦めだ。ソフトバンクは、海外で使える対応機種や、利用できる国・地域が多い。海外によく行く人には便利だろう。(談)

http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20061101nt03.htm