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2006年10月30日(月) 08時32分

ソフトバンク 番号継続制受け付け連日停止 準備・顧客対応に甘さフジサンケイ ビジネスアイ

 鳴りもの入りで24日からスタートした携帯電話の「番号ポータビリティ」(番号継続制度)商戦が、最初の週末で完全に出はなをくじかれた。

 顧客情報を管理するソフトバンクモバイルのコンピューターシステムにトラブルが発生、契約受け付け業務が全面停止した28日に続き、29日もいったんは再開した受け付け業務の再停止に追い込まれた。同社は、2日連続で混乱を招いたトラブルを陳謝するとともに、「受け付けできる態勢が整い次第、各(携帯電話)事業者と協議の上、受け付けを再開する」との談話を発表したが、業務態勢の抜本的な見直しを迫られそうだ。

 ■商戦に水さす

 「誠に申し訳ございません。本日も番号ポータビリティによる切り替えの受け付けは行っておりません」。

 29日午後、東京都内にある大手家電量販店の携帯電話売り場では、ソフトバンクの営業員が契約切り替えに訪れた顧客への謝罪に追われた。開店当初は、「携帯電話の引き渡しが30日以降になる」ことを条件に、申請を受け付けていたが、午後からは完全に停止。他社からソフトバンクへの変更に訪れた男性(32)は、釈然としない様子で「切り替えるかどうかゆっくり考えたい」と話していた。

 ソフトバンクモバイルによると、29日も既存顧客の料金プラン変更手続きなどの申請が殺到したため、午後0時10分に同制度を使った他社への変更と他社からの乗り換えがともにできなくなった。

 ソフトバンクは同社の携帯同士であれば通話やメールが原則無料になる「予想外割」などの新料金体系の導入を23日に発表、利用者の高い関心を呼んだ。ただ、既存顧客が格安の料金プランに移行する場合は機種交換などの手続きが必要で、「新規加入者との待遇の差が大きく不公平だ」との声が噴出。新プランがスタートする26日には、新規契約のみならず機種交換の際にも携帯電話端末の価格を事実上ゼロ円にする新施策など既存顧客のつなぎ止め策を打ち出した。

 これら一連の“秘策”は、社内にも秘密で進められたため、販売現場に内容が浸透し切らず、受け付けやシステム対応の準備不足を招いた側面もある。

 ■「信頼を裏切る」

 2日連続のトラブルに巻き込まれ、ソフトバンクからの顧客を受け入れられず、商戦に水を差された格好のNTTドコモとau(KDDI)は同日、ソフトバンクに対して厳重に抗議。連名で送付した抗議文では、「(ソフトバンクの)システムの信頼性に疑念を抱いている」としたうえで、「発生原因を明確化して説明すると同時に、システムの早期回復に向けた抜本的な対策」を強く求めた。

 今回の事態について、業界関係者は「せっかく制度がスタートしたのに、それを活用できない状態をつくり出した責任は重い。利用者の期待と信頼を裏切るものだ」と厳しく批判。話題作りばかりに奔走するソフトバンクの顧客対応の甘さを改めて指摘している。
(フジサンケイ ビジネスアイ) - 10月30日8時32分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061030-00000000-fsi-bus_all