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2006年10月29日(日) 18時37分

元最高裁判事の大野正男さん死去 「人権派の論客」朝日新聞

 元最高裁判事で「人権派の論客」として知られた元弁護士、大野正男(おおの・まさお)さんが28日、肺炎のため東京都稲城市の病院で死去した。79歳だった。通夜は11月2日午後6時、葬儀は3日午前10時30分から東京都港区南青山2の33の20の青山葬儀所で。喪主は妻明子(あきこ)さん。

 54年に弁護士登録。日米安保条約が争われた砂川事件や、サドの小説「悪徳の栄え」のわいせつ性が問題とされた裁判、沖縄返還交渉の日米密約を暴いた元毎日新聞記者の事件など、平和主義や表現の自由といった憲法の根幹が問われた裁判で弁護人を務めた。予防接種禍東京集団訴訟では、原告側代理人として東京地裁、高裁でほぼ勝訴し、実務や学界に影響を与えた。

 93年から97年まで最高裁判事。93年には判決で「死刑が残虐な刑罰に当たると評価される余地は著しく増大した」とする補足意見を書いた。愛媛県が靖国神社に納めた玉ぐし料などを公費で負担したことが争われた訴訟の大法廷判決(97年)では、公費支出を違憲とする多数意見に加わった。教科書検定で不本意な記述を強いられたとして故・家永三郎東京教育大名誉教授が起こした第3次訴訟では、文部省の検定意見のうち4カ所の違法を確定させる判決に裁判長としてかかわった。

 01年には朝日新聞社の「報道と人権委員会」初代委員に就任。酒気帯び運転で免職となった中学教頭が直後に町教委嘱託に採用されたことを報じた記事について、本人の反論や釈明を掲載するのが妥当だという初の人権救済見解に関与した。

 03年ごろ体調を崩し、所属していた第二東京弁護士会を昨年退会した。

http://www.asahi.com/obituaries/update/1029/001.html