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2006年10月27日(金) 00時00分

中絶後、態度一変彼が憎い読売新聞

 30代女性会社員。昨年、妊娠中絶手術を受けました。1歳年下の彼に「金銭的な余裕がないので結婚できない」と中絶を求められたからです。妊娠は私にも責任があります。でも彼は「子どもができたら産んでもいい」と言っていたのです。

 彼は「中絶したら一生責任を取ってやる」とも言いました。でもうそでした。「仕事が忙しい」と私を避け始め、「お前のことなんかどうでもいい」と暴言を吐き、私の容姿を侮辱するようになりました。

 彼は「自分の両親に中絶の件を知られると困る」と言っていました。今更ですが、このことを報告してやろうか、とも考えます。

 私は彼を信じてきたのに悔しくてしかたありません。彼の暴言などを1日1回は思い出し、苦しくなります。できるなら、彼との記憶をすべて削除したいです。彼が本当に憎いのです。(大阪・W子)

 レイプの結果でもないかぎり、妊娠は男女の共同責任でしょうが、中絶せざるをえなかったような場合には、女性への負担が心身両面ではるかに大きくなることは確かです。だからこそ、そのような場面での男性の人間性が問われることになります。その意味でもあなたの「彼」はひどいですね。うそつきで、あまりに卑劣です。このような男と一緒にならなくて本当に良かったと、まずは思います。もしそんなことにでもなっていたら、一生の悲劇を背負い込むところでした。

 それで、あなたの今の問題は悔しさの持って行き方ですね。このまま一方的に自分だけが苦しんで終わりたくないという気持ち。よく分かります。これは法的手立ても含めて、いろんな方法があるとは思います。彼の恐れていた両親への報告という手もあるでしょう。

 ただ、どうやってもしらを切られて、また傷ついたり、両親もあっさり息子の非を認めるとも思えない。つまり「返り血」を浴びる危険性があるし、得られるものは少ないかもしれない。何よりも、思い出したくもない彼とまた接触することにもなる。これらのリスクも考えた上で、冷静に判断して行動を決めてはいかがでしょうか。

 (野村 総一郎・精神科医)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/danjo/20061027sy31.htm