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2006年10月27日(金) 00時00分

米系巨大ファンド、明星食品にTOB…転売狙いかZAKZAK

 「チャルメラ」で知られる即席麺メーカー・明星食品(東証2部)が、外資ファンドに“完食”されかねない危機に直面している。米国系投資ファンド「スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド」が突如、TOB(株式公開買い付け)の実施を公告したのだ。明星経営陣の同意は得ていないとみられ、敵対的買収に発展する可能性もある。

 スティールは明星の発行済み株式の23.1%を保有する筆頭株主。平成15年末から株式の買い増しを続けてきた。

 スティールが27日朝に公表した公開買い付け公告や関係者らによると、スティールは今年初めごろから、明星に対し経営陣による企業買収(MBO)を提案してきたが、明星が拒否したため、TOBに踏み切ったという。

 スティールは明星の普通株式を1株700円で買い付ける。この価格は、明星の26日までの1カ月間の終値平均(611円)を約14.6%上回る水準。TOB期間は27日から11月27日までで、発行済み株式の全株取得を目指す。応募株式が予定株式に満たなくても、応募株式を買い取る予定。全株取得に必要な資金は約230億円。

 今回の事態は明星としては2度目の災難となりそうだ。一昨年に村上ファンドが大株主として急浮上し、スティール同様にMBOを迫った経緯がある。この際、明星は大幅増配で対処し、村上ファンドはその後、持ち株を全株処分し、撤退した。

 「スティールは全株取得後も経営陣を変えないとしているが、上場廃止となった後に、同業他社へ転売するのか、企業価値を向上させて再上場させるのか。ファンドは利益を上げるのが仕事だから何でもやってきそうだ」(アナリスト)

 王子製紙が北越製紙に仕掛けたTOBでは、三菱商事など第三者が登場し、事実上、成功しなかった。明星にも三菱商事と三菱商事系の菱食が株主として名を連ねているが、果たしてどう動くか。成否の行方には不透明感も漂っている。

■スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド 資金源は米国の富裕層や機関投資家とみられ、平成12年ごろから日本株に投資を開始。15年に金属工作用油剤大手のユシロと毛織物染色加工大手のソトーに敵対的TOBを仕掛け、一躍、名を知られるようになった。スティールは株価純資産倍率(PBR)が1倍程度の割安銘柄を格好の投資対象とし、現在、アデランス(保有比率24.5%)▽サッポロビールホールディングス(18.59)▽江崎グリコ(13.45%)▽シチズン時計(9.20%)などの株式を保有している。

ZAKZAK 2006/10/27

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_10/t2006102731.html