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2006年10月25日(水) 11時03分

振り込め詐欺:「第2のピーク」か 手口巧妙化、市民の警戒心に対抗 /宮城毎日新聞

 ◇昨年大幅に上回るペース、入念に下調べし相手選ぶ
 「振り込め詐欺」の新しい手口が、県内で相次いで確認されている。これに伴い、今年の被害件数と被害額は昨年を大幅に上回るペースで増加しており、「第2のピーク」(県警捜査2課)の様相を呈している。犯行グループは市民の警戒心が強まったことに対抗、確実にだますため入念に下調べを行い、巧みに心理を操るなど手口を巧妙化させている。【青木純】
 ■名簿悪用し犯行
 東京都府中市のマンションの一室。7月、家宅捜索に入った県警捜査員がシュレッダーを調べたところ、中からバラバラに裁断された電話番号入りの名簿が見つかった。
 マンションは、架空の融資話を持ちかけて金を振り込ませる「貸します詐欺」グループのアジト。グループは何かの名簿を使って次々と電話し、証拠隠滅のために処分したらしい。
 振り込め詐欺は、相手の年齢や職業、借金の有無が事前に分かれば、より簡単にだますことができる。捜査幹部は「電話帳をめくって無差別に相手を探すのは昔のやり方。効率を上げるため、同窓会や職場、消費者金融の利用者の名簿を悪用している可能性がある」と指摘する。だが、容疑者は名簿の入手先について口を閉ざしており、実態は判然としない。
 ■「番号変わった」
 息子を装う「オレオレ詐欺」。特に目立ち始めたのが、最初に「携帯電話の番号が変わった」と電話をかけ、声の主を「息子」と信じ込ませる手口だ。被害者は電話機に表示された番号を息子のものだと信じ、2、3日後に「会社の金を勝手に使ってしまった」「女性を妊娠させた」などと再び電話がかかってくると、慌てて振り込んでしまう。
 同課は「最初の電話は、相手の警戒心を和らげるためだけでなく、『だましやすいかどうか』を下調べしているのではないか。時間と手間をかけ、確実に金をだまし取ろうとする傾向がうかがえる」と分析する。
 また、今月18日には、仙台市の主婦(68)が税務署員を名乗る男に金をだまし取られそうになった。
 主婦は「還付金があるので、通帳を持って銀行に行き、ATM(現金自動受払機)を操作してください」と電話で言われ、銀行に出向いた。しかし、男が指示したのは主婦の口座から相手の口座に金を振り込む方法で、気が付いた行員に止められて事なきを得た。
 ■心の準備が肝心
 同課によると、県内の振り込め詐欺の被害は、03年(オレオレ詐欺のみ)105件、被害総額6700万円、04年505件、同4億6600万円だったが、昨年は445件、同4億2400万円に減少した。しかし、今年は9月末までで、既に424件、同5億3900万円と再び増加に転じている。
 特にオレオレ詐欺の被害額は3億1600万円(184件)と、被害総額の6割近くを占める。警察に相談しにくい内容の話を持ち出されるため通報が遅れがちな上、窓口で銀行員の制止を振り切って振り込んでしまう人も多い。同課は「被害に気付くのは大抵、金を振り込んでホッとした時。慌てれば犯人の思うツボなので、いつ電話が来るかもしれないと、心の準備をしておくことが肝心」と呼び掛けている。

10月25日朝刊
(毎日新聞) - 10月25日11時3分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061025-00000116-mailo-l04