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2006年10月24日(火) 07時49分

新型預金、リスク説明義務強化 金融庁方針朝日新聞

 預け入れ時点では金利が通常の定期預金より高いものの、銀行側の都合で満期が延長・短縮される可能性のある新型預金が2年半前に登場し、残高が急速に増えている。ただ、途中で解約すると元本を割る場合が多く、預金者から苦情が続いている。商品内容の説明が不十分だった可能性があり、残高が最も多い新生銀行への苦情が目立つため、金融庁は同行への聞き取り調査に乗り出した。同庁は新型預金を「投資商品」とみなし、顧客への説明義務を投資信託並みに強化する方針だ。

 この新型預金はオプションやスワップという金融技術を使うことから、「デリバティブ預金」「仕組み預金」とも呼ばれる。新生銀行が04年4月、初めて個人向けに扱い始め、今年9月末現在の残高は約1兆円。この1年半で倍増し、同行の個人預金残高の3分の1を占める。一部他行も追随し、全国で約20行が扱っているとみられる。

 新生の主力商品「パワード・ワン プラス」は満期が5年もしくは10年。当初5年の金利は年1.5%で、大手行の5年定期預金の約3倍だ。ただし、満期を5年延長するかどうかは、預け入れ5年後が近づいた時点で銀行が決める。延長後の金利は年1.6%。

 原則として中途解約はできない。銀行側が違約金を取って応じる場合もあるが、違約金の額は解約時にしか分からない。過去には最大で9%の元本割れがあったという。

 ところが新生銀が最近まで使っていた店頭チラシでは、当初5年の金利が中央に大きな文字で強調される一方、満期変更や元本割れの可能性は下に小さな文字で書かれていた。6年目以降の金利は裏側に書かれていた。

 金融庁は、預金者から「元本割れするとは思っていなかった」などの苦情を受けて、新生銀に対し、顧客への説明の仕方やチラシの内容について報告を求めている。

 新生銀は朝日新聞の取材に、広告改善の必要性を認め、「高い金利を求めている顧客のニーズに応じた商品。苦情には耳を傾けている。広告やチラシについては従来も改善してきたし、今後も改善する」としている。

 金融庁は、金融商品取引法の来夏施行にあわせて銀行法を改正し、デリバティブ預金に新たな規制をかける。書面での詳しい説明を義務づけるのに加えて、預金者ごとに投資経験や知識を確認することなどを求める。

 さらに同庁は、デリバティブ預金の広告表示の是正にも乗り出した。銀行業界の広告ルールを定める全国銀行公正取引協議会に、顧客に不利な情報も目立たせるよう、ルール見直しを指示した。同協議会は年内にも新基準を発表する見通しだ。

http://www.asahi.com/business/update/1024/063.html