悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年10月24日(火) 09時50分

「タダコピ」大学で人気 用紙の裏、広告で無料朝日新聞

 首都圏の大学で、無料で利用できるコピー機「タダコピ」が人気を集めている。仕掛けたのは、学生のベンチャー企業。コピー用紙の裏面に企業広告を載せることで、コピー代をタダにした。4月、慶応大に置いたところ好評で、今では設置大学は九つになった。他の大学からも設置を求める声が上がっている。

一橋大に「タダコピ」を設置しに来た菅沢聡取締役(左)。「コピー機からは広告面が表になって出てくるんです」と学生に説明

コピー用紙の裏には、大学生向けの様々な全面広告が。学生の注意をひくため、下端にはクイズを用意している

「タダコピ」を設置している大学

 一橋大(東京都国立市)構内のコピー室に18日、1台のコピー機がお目見えした。見かけは他のコピー機と変わらないが、違うのはプリぺイドカードの挿入口がなく、無料なこと。利用した学生は「タダはうれしい。ゼミなどでコピーに数千円かかることも多い。裏面の広告もデザインがいい」と驚いた様子だ。

 この無料コピーを仕掛けたのは、慶応大や中央大などの学生5人が立ち上げた「株式会社オーシャナイズ」(同港区)。取締役で中央大商学部4年の永沢雄さんが「地元商店街の広告を載せて5円コピーを可能にする」という先輩のアイデアを引き継ぎ、無料コピーにふくらませた。昨秋、都内で開かれた、ある起業家コンテストで披露し優勝。会社を立ち上げ、今年4月、「タダコピ」の商標で慶応大に初めて設置した。

 1枚10円かかるコピーをタダにできるのは、用紙の裏面にカラフルな企業広告を載せるからだ。企業から用紙1万枚分の広告掲載料として40万円を集めて設置費や印刷費などに充てる。用紙は裏写りしないよう厚めの紙を使い、広告をあらかじめ刷っておく。コストを抑えるため紙はA4判に限定、工夫を凝らした。

    ■

 「お部屋探しに!」「学生アルバイト募集」。大学生対象とあって、採用案内や商品広告が多い。広告掲載は月ごとの契約で、10月は19社と契約、28万枚を用意しているという。

 イベント参加者を募集する就職支援会社は「大学構内の掲示板では埋もれてしまうし、ビラをまけば捨てられてしまう。コピー用紙として学生の手元に残るのは有用だ」と期待を寄せる。都内の大手アパレル会社は「女子大生も対象の新規ブランドが、直接PRできる。コストも安く効率がいい」と契約を続けていく考えだという。

 現在、慶応大や一橋大のほか、東大や早大、法政大など首都圏の9大学で17台を置いている。1カ月で約5万枚の利用があった大学もある。特に試験前はかき入れ時だ。近く帝京大にも置く予定で、年度内には関西圏の私立大学への設置も視野に入れているという。

 同社取締役で慶応大経済学部4年の菅沢聡さんは「予想以上の反響です。今後は、利用者の性別や地域によって広告の種類を変えて、付加価値を高める仕組みをつくっていきたい」。

 同社は、タダコピを全国の大学に展開し経営を安定させた上で、一般の人にも利用できるようなシステム開発を目指していく方針だ。

http://www.asahi.com/national/update/1023/TKY200610230233.html