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2006年10月23日(月) 00時00分

町田市長事件 メール監視に当惑 東京新聞

 東京都町田市の石阪丈一市長(59)=前横浜市港北区長=の政治資金パーティー事件を教訓に、横浜市が再発防止策の一つとして、全職員の業務用電子メール(通称・庁内メール)をチェックする方針を決めたことをめぐり、職員に波紋が広がっている。幹部職員多数が事件に巻き込まれた原因に庁内メールの業務外使用があったことから、市はメールの私的利用を禁止し、違反がないか監視する方針。だが、一般職員や労働組合は「検閲に等しい」などと戸惑い、反発している。 (横浜支局・木村留美)

 横浜市が導入する庁内メール規制は▽送受信メールの内容の保存とチェック(モニタリング)▽送受信記録の保存期間の長期化−の二点。チェックは、(1)抜き打ちでメールを閲覧する(2)特定のキーワードをセットし、該当したものを抽出する(3)メール送信時に上司にも同時送信する−といった方法を検討しており、十二月の導入を目指す。

 対象者は、職員のうち業務でインターネットに接続している約一万九千人。今後は、私的利用を判断するガイドラインを設け、導入後に私的利用が発覚すれば「懲戒処分もある」としている。

 財団法人労務行政研究所が五月に公表した実態調査によると、こうしたモニタリングを実施しているのは、民間企業でも17%だけ。従業員数が千人以上の企業でも25%にすぎない。「管理の行きすぎで、検閲に当たる」との反対が根強く、自治体では、佐賀県や滋賀県などの例があるだけだ。

 滋賀県では、メールを使った汚職事件の反省から、上司への同時送信を義務化した。担当者は「外部に出すメールは公文書という位置づけ。所属長にも送信することで部下の仕事が把握できる」と利点を強調する。

 しかし、横浜市の一般職員からは「幹部職員が起こした不祥事なのに、どうして一般職員も対象になるのか」といった不満や戸惑いの声が多い。町田市長のパーティー事件で、参加や献金の声掛けを求めた違法なメールを受け取ったのは、副市長や局区長ら主に幹部職員だったからだ。

 職員約四千人が加入する「自治労横浜」の岩沢弘秋書記長は「(モニタリングは)検閲で、極めて問題だ。事件を『市役所内の風土の問題』として、責任をすりかえようとしている。問題点を精査し再考を促したい」と憤る。

 これに対し、同市の城博俊・職務公正調査課長は「横浜市のメールは一日十六万通に上り全部見るわけではない」と説明。「システム上、一般と幹部職員のメールを区別することは困難だ。そもそも庁内メールは業務に使うのがルール。パソコンの電気代、職員の労力もかかっている。これまで(中身の見えない)封書の状態だったメールが、チェックによって(文面の見える)はがきの状態になるということだ」と述べ、譲らない構えだ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061023/mng_____sya_____013.shtml