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2006年10月21日(土) 12時19分

暴言受け「罪」認める朝日新聞

  小学1年の女児を連れ去ろうとしたとして、県警に逮捕されたアルバイト少年(16)が、無罪に当たる不処分決定となった問題で、少年の付添人である弁護士が20日、甲府市内で会見した。会見には、少年も同席し、「警察にひどいことを言われ続けた。謝ってほしい」と語った。一方、検察側は「適正に捜査が行われたと認識している」と話し、双方の意見は食い違った。(岡戸佑樹)

 少年は5月23日、甲斐市下今井で女児を連れ去ろうとしたとして、翌24日に未成年者略取未遂の疑いで韮崎署に逮捕された。女児の友人が携帯電話で少年を撮影。この画像が逮捕のきっかけとなった。勾留(こう・りゅう)、鑑別所を含めた身柄の拘束期間は1カ月近くに及んだ。

 少年と石川善一弁護士によると、少年は韮崎署に任意同行されてから約3時間、容疑について否認。その間、「認めないと親も仕事をクビになる」「認めればうちに帰れるから」と言われたため、罪を認める「自認上申書」を書くことを決意した。少年は、「悔しくてつらい思いだった」と振り返った。

 石川弁護士は、女児らがいったん容疑者を見失った後に、現場付近にいた少年を容疑者と判断した点などを挙げ、逮捕のきっかけとなった携帯電話の画像の信憑(しん・ぴょう)性に疑問を呈した。さらに、「写真の人間を犯人と思いこむなど、捜査方法には大きな問題がある」とした上で、「誤認逮捕であり冤罪」と県警などの捜査機関を批判した。

 また、「少年を犯人と断定したことで真犯人を逃してしまった。被害者である女児にも不利益だ」と、被害に遭った女児らにも配慮を見せた。

 「勾留中は、何で逮捕されたんだろうとずっと泣いていた」。会見で少年は、不処分決定までの心情を語った。取り調べの中で、警察官に「君の親はうそをつけと育てたのか」「おまえはロリコンだ」と言われたことも明らかにした。

 少年は、少年事件で不処分決定になった時に支払われる「少年補償」の手続きをしている段階で、県警などに対して、謝罪を求めていきたいとしている。

 一方、捜査当局は「捜査に間違いはない」という姿勢を見せた。少年を同家裁に送致した甲府地検の牧島聡次席検事は「被害児童らの供述や撮影された写真などから非行事実が認められると判断した。決定内容を検討し、家裁が異なる判断をした理由を検討したい」というコメントを出した。

http://mytown.asahi.com/yamanashi/news.php?k_id=20000000610210002